マンガの恋愛処方箋④:「俺の大事を勝手に決めんじゃねぇよ」
蓮嗣の幸せを願って身を引いたひかりに対し、蓮嗣は「俺の大事を勝手に決めんじゃねぇよ」と強く言い放つ。
ここでは、この言葉自体というよりは、この言葉に込められた意味を伝えたい。
マンガやドラマ、時に現実でも“相手のためを思って身を引く”というような行動は、正直少なくないように思う。しかし、一見相手を思ったようなその優しさは、時に身勝手で自分本意な行動となることも念頭においてほしいと思う。
名言から学ぶこと▶︎人の幸せを決める権利はどこにもない
自分の幸せより、相手の幸せを願うほど人を好きになれたことは素敵なことだ。
しかし相手の幸せは相手が決めるべきことであり、「相手はきっとこの方が幸せだ」と他人が判断すべきではないということは心に刻んでおきたい。
一緒にいない方が幸せなことが、時にはあるだろう。しかし、それは相手ときちんと向き合って決めること。
人の幸せを決める権利はどこにもないのだ。
恋愛は時に初心に帰って素直さを取り戻すこと
大人になると、学生時代のように好きという感情だけで動くことは難しくなる。特に結婚を視野に入れた相手を探すとなおさらだ。
打算で恋愛をすることも、傷つくことを恐れて一歩踏み出さずに終えることも、言葉からではなく行動から察することも、相手に好かれるために偽りの自分を演じることも増えるだろう。
しかし、この作品から学べるのは、相手に真っ直ぐに向き合う素直さである。
恋愛は自分の気持ちを振り回す、めんどくさい側面も持つ。
だからこそ、時に、頭で考えるのではなく「本当はどうしたいか」という素直な気持ちを取り戻しながら、自分と相手に真っ直ぐに向き合うことが、誠実な良い恋をする秘訣なのかもしれない。
真っ直ぐすぎるほど純粋な主人公・ひかりと、徐々に心を入れ変えていく“ガチクズ”蓮嗣の特殊な恋模様がそんなことを教えてくれた。
作品情報
大キライとプロポーズ~入れ替わった婚約者がガチクズだった件~
東ねね
集英社マンガMee(https://manga-mee.jp/)にて配信中