まずは都内で実績をつくる
「Stchar!」は現在、活動可能範囲を渋谷のハチ公像を中心とした半径500m以内に留めている。活動可能時間も平日の17時~21時(雨天中止)に限定しており、小野塚氏は「今後は渋谷全体や、新宿、秋葉原にもエリアを広げたい」と展望を語る。また大阪へのエリア拡大を求める声も届いており、まず東京で実績作りをして、方針が固まったら大阪や他エリアへ、という流れを描いているそうだ。
またユーザーからのリクエストに「歩く目的の設定」がある。将来的にはフードデリバリー系のサービスと組み合わせ、昼間はデリバリー、夜は広告バイトといったローテーションを手掛けられるようにすることも検討しているようだ。
さらに「Stchar!」には企業からも熱い視線が注がれている。広告代理店から協業を望む声が届くなど、企業との連携がより広がる可能性がある。
「ユーザーファースト」を貫き、事業を成長させる
最後に、小野塚氏と照井氏に今後の展望を語ってもらった。
「社会人の方で使ってくださっているユーザーとお話することがあり、すごく嬉しかったです。余暇で活動できるところに特化して設計しているので、アルバイトと言っていますが、縛りがない。自由に活動して、自由に使えるお金を手に入れて、生活の一部がより良いものになってくれるといいなと思います」(小野塚氏)
「自分が高校生の時などにアルバイトをする時、時間の縛りがあって友達と遊べないという経験がありました。『Stchar!』はそういったことに全く縛られずに即日入金で使えるお金も手に入るので、学生さんにとって良いサービスになるはずです。ぜひ使っていただきたいと思います」(照井氏)
新進気鋭の若者らが思い描いた、広告の入ったTシャツを着て街を歩いて報酬を得るアイディアは、さまざまな大人や企業の理解と協力によって、iPadで広告を再生しながら街を歩いて報酬を得るサービスとして実現した。予想以上の反響に紆余曲折しながら、これから成長する可能性は十分にある。若い力が、今まで世になかったものを生み出し、発展させていくことが楽しみだ。
文・撮影/若林 健矢