矢沢永吉に次ぐ最年長記録でのアルバム・チャート首位

69歳5ヵ月でアルバム・チャート首位という山下達郎氏の記録は、矢沢永吉の最年長記録70歳0ヵ月に次ぐもの。しかも、20代・30代・40代・50代・60代と一人のアーティストが各世代で首位を獲得するのは史上3人目(過去2人は松任谷由実と竹内まりや)、男性アーティストでは初めてだそうだ。

「おそらく(配信は)死ぬまでやらない」69歳、山下達郎のブレない矜持_1
山下達郎最新アルバム『SOFTLY』アナログ盤

衝撃的な肖像画ジャケットを中心に、ネット上ではこの新作に対して賛否が飛び交った。でもそれが相当に高いレべルでの議論になっているのは、衆目の一致するところだろう。

1970年代終盤から45年近く達郎氏の音楽を愛でてきた筆者も、この新作を高く評価している。ただこれだけ長いキャリアがあると、時代の変化や機材の進化に応じて、そのサウンドや方法論にも変化が生じてくるのは必定。自ずと“昔の方が良かった”“いや今の方がイイ”と意見が分れるワケだ。

特に90年代以降は、バンド・サウンドよりコンピュータを使っての打ち込みサウンドが主流となり、アルバムの中に様々なタイプの楽曲が同居して、統一性は薄らいだ。しかも先行リリースされた数々のタイアップ曲を収めるから、半ばシングル集のような趣きがある。

オリジナル・アルバムとしては11年もの空白のあった『SOFYLY』でも全15曲中、完全新曲はわずか4曲。他にも初音源化やヴァージョン違いがあるものの、「新鮮味がない」という声が出るのも致し方ないところか。

「おそらく(配信は)死ぬまでやらない」69歳、山下達郎のブレない矜持_2
『SOFTLY』と、それに収録されている先行シングル群。4枚ともここ数年に出たモノで、今回の最新アルバムが「新鮮味がない」と言われる由縁にもなっている

ただし達郎氏自身は、既発シングルはアルバム収録時にすべてリミックスを施すという、職人らしいこだわりを発揮している。