高市政調会長の処遇は?
まず注目されるのは参院選後の自民党役員人事と内閣改造人事だ。
6月7日に閣議決定された「骨太の方針」は安倍元首相の主張に沿って、アベノミクスの継続や歳出拡大の文言が追加されるなど、安倍カラーの強いものとなった。
岸田首相にすれば、当然、「黄金の3年間」を手中にする参院選後は岸田カラーを打ち出したいはず。その基盤となる独自の人事を岸田首相がやれるかどうかがひとつのカギとなる。
中でも注目は茂木敏充幹事長と高市早苗政調会長の処遇だろう。岸田首相は昨秋、自民の党役員任期について「1期1年連続3期まで」と定めたばかりだ。
つまり、党規約上は今秋にも任期1年を終える茂木、高市両氏ら党役員を別の人材に交替させることは可能なのだ。
もし、茂木幹事長を参院選勝利の功労者として留任させ、その一方で安倍元首相に近いとされる高市政調会長を交替させるような人事となれば、岸田首相の政権基盤は強まる。
ポスト岸田を伺う茂木幹事長は幹事長続投への返礼として、いままで以上に岸田首相を支える姿勢を強めるだろう。
しかし、逆に茂木幹事長を差し替え、最大派閥の安倍派から幹事長を出し、高市続投といった人事を強いられることになれば、これまでのように安倍派の意向に配慮しながらの政権運営となる。
もうひとつの注目は、24年9月に予定される自民党総裁選に向けた綱引きだ。参院選後の「黄金の3年間」とはあくまでも与党対野党の構図で語られていることであって、自民党内では2年後の総裁選=総理大臣の座をめぐる権力闘争がスタートする。