今は「自分が自分が」っていう意識しかない

「闇落ちしてよかった」スターライト・キッドが語る“ヒールターン”のすすめ_3
海外からも高く評価された、AZMとの一戦(2.23長岡大会)©スターダム

――「大江戸隊にいる自分のほうが素」とおっしゃっていますね。

うん、素に近い。STARSのときは優等生みたいな感じだったから。まあ、根はめちゃくちゃ真面目なんだけど、いまはヘンに気を使わないというか、本当にやりたいことができてる。自由だよね。なんでも発言できるし。

――マイクパフォーマンスもすごく上手です。STARSの頃はそもそもマイクを持つ機会があまりなかったですよね。

やっぱり、(団体のアイコンである)岩谷麻優という存在が大きかったと思うんだよね。岩谷麻優の妹分だったから、彼女より上には立っちゃいけないという意識があったと思う。だけどいまは「自分が自分が」っていう意識しかない。プロレスラーはそうじゃないとダメだなって思った、すごく。

――当時は、妹分でいることに疑問は感じていなかった?

うん。「岩谷麻優と一緒に頑張っていこう」みたいな感じだったね。彼女の隣にいて、超えたいという気持ちはあったけど、行動は伴っていなかった。そこまで欲がなかったんだと思う。気持ちを表に出すことはなかったし、発信力が全然足りてなかったのかなぁって。そのときはそのときですごい楽しかったし、いまだから気づくことなんだけど。

――いまは大江戸隊の中心にいますよね。

自分が大江戸隊としてやっていくって決めてから、初めて全部を変えて出場した大会で、リーダーの(刀羅)ナツコが怪我をしたんだよね。だれが大江戸隊を引っ張っていくのかってなったときに、自分しかいないんじゃないかと思った。ユニットを引っ張っていかなきゃいけないっていう気持ちが芽生えてきて、欲深さがどんどん出てきたかな。

――気持ちが変わって、プロレスにも影響があった?

あった! 周りがやってないことをやりたい、みたいな。自分が一番でいたい、みたいな。周りと同じでいたくないから、技の入り方とか、種類を変えたりとか、マイクもそう。周りが言わないようなことを言ってやろうって思う。どうしたら自分が一番注目されるかをめっちゃ考えるようになったのかな。