答えのないものはググらない
本書は、「ウィキでググれば事足りる」というコンセプトで書いているが、すべての事象について、ググるだけでいいと言っているのではない。
哲学的なもの、正解がないものについては、ググる必要がないと考えている。だから一切、手を出さない。
「人間のことは何にてあれ、大いなる心労に値せず」(プラトン)
「幸福になろうとするならば、節制と正義とが自己に備わるように行動しなければならない」(ソクラテス)
「樹木にとって最も大切なものは何かと問うたら、それは果実だと誰もが答えるだろう。しかし、実際には種なのだ」(ニーチェ)
プラトンやソクラテス、ニーチェをグクることはあっても、有名な哲学者の言葉は、まさに究極の主観である。その内面世界の解釈は人によりさまざまで、人の数だけ解釈があると言ってもいい。いくらウィキでも、そうした名言について「絶対的に正しい解釈はこれだ」と示してくれるわけではないし、また示すことなどできないだろう。
哲学とは深い思索であり、情報収集や知識を得る行為とは、全く異なる次元のものであるから、そもそもググるメリットがない。