「仕入れ先が突然なくなった…」もやし業者の廃業でスーパーにも混乱
一方、同業者の廃業は、残されたメーカーにも思わぬ影響を及ぼしている。
「ほかのメーカーが廃業すると、それまで供給を受けていた取引先が困って、うちに電話をかけてくることがあります。もやしは生鮮食品で、2日、3日しか持たない。今まで納品していた会社が突然なくなれば、どこから仕入れればいいのかという話になりますよね」
生産者が減り続ければ、安定供給そのものが難しくなるおそれもある。
さらに、製造現場では人手不足も深刻だ。
「10年前に比べると、若い日本人が製造業に入ってくることが圧倒的に減っていると思います。外国人の方に働いてもらうのも、単純に人件費が安いからという話ではなかったりするんです」
政府は2026年1月に施行された中小受託取引適正化法などを通じて、企業間の価格転嫁や取引の適正化を進めている。ただし、同法の適用は取引形態などによって異なる。
もやし製造の現場は、行政による取り組みに一定の効果を感じながらも、さらなる対応を求める。
「昔と比べれば値上げ交渉はしやすくなった部分もあると思います。でも、やっぱり流通側の立場が強いところはあります。もやしだけでなく、中小の食品製造業はみんな苦労していると思います。行政にはもっときちんと指導してもらいたいですね」
安いから買われるもやし。しかし、その安さを支えるメーカーが次々と消えてしまえば、消費者も今の価格で買い続けることはできなくなるかもしれない。
庶民の味方であり続けてきたもやしは今、その安さゆえに岐路に立たされている。
取材・文/集英社オンライン編集部













