家庭では、子どもと犬の散歩やキャッチボールをする姿も

当時、今北容疑者は福祉用具を扱う会社に勤務していた。「集英社オンライン」が7月に取材した利用者は、ケアマネジャーとともに自宅に来た際の対応を「はきはきとしていて、きちんとしていた」と振り返る。怪しい様子は感じず、ごく普通の営業担当者という印象だったという。

今北容疑者の名刺
今北容疑者の名刺

仕事先での評判はよかったものの、介護関連会社の関係者によると、母娘の消息が途絶えた2月ごろから「仕事をやめたい」と漏らし始めていたという。元同僚の30代男性は、飲み会での姿をこう語る。

「気さくな男性という印象でした。写真を撮るときには変顔をしたり、会話に入って話を盛り上げたりしていました」

専門学校ではオートバイについて学び、自らレースにも出場していた。当時の後輩も、逮捕を知って耳を疑ったという。

「威張ったり、厳しく当たったりする人ではなく、卒業後にサーキットで再会した際も穏やかな印象でした。本当にあの先輩がやったのかと思いました」

この後輩によると、今北容疑者は専門学校時代のつてで、少なくとも9年以上、二輪関係のイベントブースの設営や運営を手伝っていた。SNSではその様子を「出稼ぎの旅」と称して投稿。母娘が消息を絶った後も投稿は続き、後輩には、いつも通りの生活を送っているように見えていた。

家庭では、夏にバーべキューをしたり、子どもとキャッチボールをする姿も見られていた今北容疑者。妻子がありながら園美さんの自宅にも出入りしていたが、2人の関係をめぐっては、金銭のやり取りに関する話も聞こえてきた。園美さんの知人男性は、7月の逮捕後に聞いた話を明かす。

「今北容疑者が働いていた会社の方たちから、『被害者からお金を借りていた』というような話を聞きました。園美さんは難病を抱えていたと聞いていたので、『そんな人からお金を借りるなんて』と思いました」

周囲には気さくに接し、家族と過ごし、趣味のバイクにも関わり続けていた今北容疑者。彼のSNSに各地のイベントの写真が並んでいた間、母娘は名張川沿いに遺棄されたままだった。

今北容疑者の自宅(撮影/集英社オンライン)
今北容疑者の自宅(撮影/集英社オンライン)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班