安全を確保するために出動していた船が“犯人”扱い

8月11日、坂出港の沖合で予定されていた花火の打ち上げは、午後8時から約30分遅れて始まった。

坂出市は後に、強風や波の影響で花火台船の位置や航泊禁止区域の調整が必要になり、海上の観覧船の安全確保に時間を要したことが遅延理由だったと説明している。しかし当日、会場では有福哲二市長が、禁止区域内に船が侵入しているために打ち上げが遅れている旨をアナウンスしたという。

〈坂出の花火の遅れた戦犯はやはりこの船でした!(中略)何度も海上保安庁の船に警告されてた。この船長に処罰とこの船永遠に使えなくして欲しい。みんなの30分を奪った罪は大きい。〉

花火大会遅延の“戦犯”としてあさひ丸の画像を投稿する人も
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写真に写っていたのは、船体に放射状の模様が描かれた「あさひ丸」。花火大会の主催者である坂出まつり協賛会から委託を受け、海上の警戒業務にあたっていた船だった。

船長の國重さんは当日、4隻の警戒船の責任者を務めていた。あさひ丸には國重さんを含む4人が乗り込み、ほかの警戒船や坂出海上保安署と連携して、観覧に訪れた船が禁止区域に入らないよう警戒していたという。

取材に応じる「あさひ丸」船長の國重智子さん(写真/集英社オンライン)
取材に応じる「あさひ丸」船長の國重智子さん(写真/集英社オンライン)

「市の産業観光課から『禁止区域に数隻の船が侵入している。対処をしてくれ』と連絡が入り、侵入した船に区域の外へ出るよう呼びかけていました。私たちは毎年、こうした警戒にあたっていたんです。当日は、市長が地上でどんなアナウンスをしていたのかも、私の船が犯人扱いされていたことも、まったく知りませんでした」

普段は客を乗せて運航するあさひ丸は船体が大きく、國重さんによると、対応していた侵入船は岸から見て、その陰に隠れる位置にあったという。安全を確保するために出動していた船が、打ち上げを妨げた船として写真を撮られ、拡散されてしまった。