「農業×推し活」で地域貢献
そんな折、農家から「農業×推し活」のイベントを開催してみないかと声をかけられた。
「自分の発信力を生かせば、さつまいもや地域に貢献できるかもしれないと思ったんです。今後も続けていきたい事業だったので、農業の道に進もうと決めました」
こうして始まったのが、農業とファンイベントを組み合わせた「農業×推し活」だ。2026年5月から毎月開催しており、現在は15名ほどの当選者のみが参加。守谷駅から畑まで送迎し、苗の植え付けなどを体験してもらっている。
しかし、イベントの内容は農作業だけではない。
「『畑ライブ』という企画もあるんです。畑にトラクターを持ってきて、その上で私が歌うんです。スピーカーを置いて、ファンの皆さんにはペンライトを振ってもらいます。あとは特典会でチェキを撮ったりしています」
さらに、畑にオーナーの看板を立て、全7回のイベントに参加できる「芋オーナー」という制度も設けている。
一般的な農業体験と、アイドルのファンイベントを組み合わせたような内容だ。参加費は農具や苗、肥料などの購入費用に充てており、農業の初期投資を補う仕組みにもなっている。
農業に関心がなかったファンも、上西をきっかけに畑へ足を運び、土に触れる……。芸能活動と農業を結びつけることで、これまで農業と接点のなかった人たちにも、その魅力を伝えようとしている。
「私が目指しているのは、農業とタレントの両方に関わること。農業とタレントの間にある壁を取り払って、まださつまいもの魅力を知らない人にも『さつまいもはこんなに面白いんだよ』と伝えたいんです。だからこそ、農家かタレントか、どちらかに絞る必要はないと思っています」
さらに上西には、以前から温めてきた夢がある。それが、さつまいもの専門カフェを開くことだ。
「農業で栽培したものを加工して販売するまでを手がける『6次産業化』という考え方があります。例えば、さつまいも畑のそばにカフェがあるというのが理想です。さつまいもの貯蔵施設を一般の方にも見てもらえたり、収穫作業を見学できたりするカフェになったら、すごくいいなと思います。そして、自分で育てたさつまいもをカフェで提供したいですね!」
かつてアイドルとしてステージに立っていた上西は、今、畑のトラクターの上でも歌っている。
ステージから畑へ。そして、畑から食卓へ。上西の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
取材・文・撮影/千駄木雄大












