消防隊員らへの誹謗中傷も…消防の格好で近隣を歩けなかった隊員

2025年1月28日午前9時50分ごろ、埼玉県八潮市の6差路の交差点中央部が突如として陥没した。長さ約8メートル、幅約4メートル、深さ5メートルの穴が開き、走行中のトラック1台が転落。救助活動は難航し、事故からおよそ3カ月後の5月2日、運転手の男性が下水道管内から発見され、死亡が確認された。

当時、懸命におこなわれた救出活動(近隣住民提供)
当時、懸命におこなわれた救出活動(近隣住民提供)
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今年7月には、男性の遺族が県に対して慰謝料など約1億2500万円の損害賠償を求めて提訴している。

「虹の架け橋」の代表を務める木下さんは、当時の状況を振り返る。

「当時、ご遺族の方たちは救出作業の現場にいらしていましたが、本当に不安な日々を過ごしていたと思います。また、運転手の男性も意識がありながら救出を待つというのはどんなに怖かったのだろうと思いますし、ご遺族にとって納得のいく形になってほしいと心から思います」

事故当初、難航する救助活動に対しては批判も相次いだ。地元の草加八潮消防局が出動して救助にあたったが、穴の中で土砂崩落に巻き込まれ、隊員2人が負傷。建設用クレーンでトラックをつり上げようとした際には、途中でワイヤーが切れるなどのトラブルもあった。

こうした救助活動を巡っては、消防隊員らへの誹謗中傷も起きていたという。

「消防関係の方とは地元で話す機会も多いのですが、事故後、当時の隊長は『自分の大切な部下を怪我させてしまったし、運転手さんも助けることができなかった』と心から悔やんでいました。

誹謗中傷がすごくて、隊員たちも消防の格好で近隣を『歩けない』と言っていました。私たち住民は現場で必死に作業する消防の方を見ていましたし、あの時、誰に正解がわかったのか、と誹謗中傷については複雑な思いでした」

連日、消防隊員による救出活動が続いたが…(近隣住民提供)
連日、消防隊員による救出活動が続いたが…(近隣住民提供)