「家が傾いて住めなくなってしまった人もいました」
事故は、現場周辺で暮らす住民たちの生活も大きく変えた。悪臭や工事の騒音、住宅や家電製品への影響など、問題は長期にわたり、個人で行政に相談するだけでは対応に限界があった。
そこで昨年12月、住民の声を集め、行政に継続的に届けるために発足したのが「虹の架け橋」だ。住民へのアンケート調査などを通じて被害状況を記録し、復旧工事に伴う問題への対応を求めるとともに、同じような事故を繰り返さないために経験を伝えていくことも活動の目的としている。
「事故発生から近隣住民の方たちに定期的にアンケート調査を行うなどしてきました。その中であがってきたひとつに、復旧作業による騒音と振動がありました。私も地震で揺れているのかと思ってネットで調べたことがあるほど揺れていました。結果、家の壁に亀裂が入ったり、家が傾いて住めなくなってしまった人もいました」
騒音や振動に加え、住民を苦しめたのが、下水道管の破損によって漏れ出した硫化水素などによる悪臭だった。家の中にいても臭いが漂い、逃げ場のない状況が続いたという。
「下水の臭いというか、腐った卵のような臭いというか、本当に臭いから逃げ場のないような状況が続きました。今は当時からするともう臭いはないに等しいですが、当時は頭痛であったり吐き気をもよおす人も多くいました。私自身も外で15分くらい話をしていると喉が痛くなるということもありました。
洗濯物についても外に干せないので中に干していましたが、臭いが家中に充満しているので、洗濯物もその臭いになります。臭いには本当に多くの人が苦しめられました。今年に入って下水管に完全に蓋がされたので臭いもしなくなりましたし、硫化水素ももう出ていないのではないかと思っています」













