「婚活は”神経衰弱”」
結婚は、相手を選んだ時点で終わるものではない。その後には、家事や育児、仕事、お金など、二人で向き合わなければならない現実の生活が続いていく。
そのため、たとえ年収が高くても、仕事が忙しすぎて家事や育児に関われない人は避けたい。年齢差が大きければ、これから先も価値観を共有して生活していけるのか不安を感じる――。そうした声も、実際の婚活の現場では聞かれるという。
「一つの条件が飛び抜けていることより、全体のバランスを大切にする人が増えています」
では、女性の場合はどうなのだろうか。仕事や容姿など、一見すると婚活に有利と思える条件に恵まれていても、なかなか結婚が決まらない女性はいる。山本さんが指摘するのは、過去の交際相手や周囲にいる男性を基準にして、新たな結婚相手を探し続けてしまうケースだ。
「『今まで付き合ってきた人と同じような人がいい』と、こだわりが強くなってしまうんです。でも、自分では選ばないと思っていた人が、実は一緒に生きていける相手かもしれません」
さらに現在は、結婚相談所だけでなく、マッチングアプリなど出会いの選択肢も増えた。スマートフォンを開けば次々と新しい相手を見ることができる。
出会いの間口が広がったことは大きなメリットだが、一方で、一人の相手とじっくり向き合う前に「この人は違う」と判断し、次の相手を探してしまうことにもつながりかねない。山本さんは、現在の婚活をトランプの「神経衰弱」にたとえる。
「アプリを開けば、また別の人に出会えます。だから、神経衰弱のように、最初からぴったり合う人を探してしまう。でも、一つひとつの出会いをもう少し大切にしてほしいですね」
年収、年齢、学歴、容姿、趣味――。選択肢が増えれば増えるほど、「もっと自分に合う人がいるのではないか」「次に会う人のほうが条件がいいのではないか」と考えることもできる。だが、「もっといい人がいるかもしれない」と迷い続ければ、いつまでも相手を選びきれなくなる。
山本さん自身も、結婚を決めたときに「世の中で最も条件のいい人」を探したわけではなかったという。
「私も結婚したいと思ったとき、当時付き合っていた人と結婚しました。もっと条件のいい人がいたかもしれません。でも、そのときの自分とタイミングが合っていることだけでも十分だと思ったんです。結婚生活は、その後に二人で育んでいくものですから」












