坊主になって変わった男の態度
「土を食べると痩せるって聞いて、ネットで買ったんです。50グラム4000円くらいだったかな。それを、そのままかじっていました」
当時は貧血もひどく、立ち上がるだけでクラッとする。それでも――。
「土が本当においしかったんですよ。ほかのなによりもおいしいと思って食べていました」
そこまでして40kg台の体を維持していたが、豊田さんを疲弊させていたのはダイエットだけではなかった。
「知り合いから『グラビアイドルなら触らせてくれるんでしょう』『枕営業とかで誰とでもやるんでしょう』みたいに言われることがあって」
電車に乗れば胸元を腕で覆い、座れば目の前に立った男性が不自然なほど顔を胸元へ近づけてくる。バッグなどで隠しても、「そんな服を着ているほうにも原因がある」と言われることもあった。
仕事では見られることが求められる。しかし、私生活まで見られたいわけではない。そんな頃、豊田さんはヨガにのめり込んだ。
「ざっくり言えば、『体は入れ物で、大事なのは魂なんだ』みたいな考え方です。容姿にあまりにもこだわることが、だんだん馬鹿馬鹿しくなってきて」
資格取得のため、渡ったインドでふと思った。
「女性っぽさを全面に出さなかったら、セクハラされなくなるのかな」
そのまま近所の散髪店へ向かい、長い髪を刈り上げてもらった。
「ちょっとアイコニックな感じになるかなと思ったら、ガッツリ刈られて。ただの小僧みたいになっちゃいました(笑)」
日本へ戻ると、予想以上の変化が待っていた。
「痴漢もナンパも、一切なくなりました」
それまで豊田さんを「可愛い」「付き合いたい」と持ち上げていた男性たちの態度まで変わった。
「『何あいつ、キモくね』くらいの冷たい話し方になって(笑)。髪型ひとつで、こんなに扱いが違うんだって」
知人女性から「ヒルズ族の男性を紹介する」と誘われ、パーティーへ向かったときのことも忘れられない。当時の豊田さんは、坊主にすっぴん、眼鏡。服装もジャージのような格好だった。
「そしたら、そのお兄さんがドン引きしちゃって。ラウンジのドアをバン!って閉められて、門前払いされました(笑)」













