「セカンドオピニオンを受けておけばよかった」
《あまりクヨクヨ考えないで、最悪、子どもが出来なければ、養子でもなんでも可能です。(略)毎日を燃焼して生きていれば必ず道は開けると思います》
千種さんの母には、父から事情が伝えられた。「母はそれを聞き静かに泣いたようです」と振り返る。
24歳当時について、千種さんは「ただの生理不順状態で薬を処方されていた」と受け止めていた。後に当時のクリニックにカルテの開示を請求したところ、エコー検査では卵胞が確認されていたという。
ただし、卵胞が確認できたことだけで、当時の卵巣機能や治療による妊娠の可能性を判断することはできない。早発卵巣不全には、卵胞が枯渇している場合と、卵胞が残っている場合があり、その区別は難しいとされる。
産婦人科専門医の宮本亜希子医師は、次のように説明する。
「卵巣内の卵胞が完全に消失したり枯渇するタイプと、卵胞はわずかにあるのに機能しないタイプです」
治療の基本となるのは、不足する女性ホルモンを補うホルモン補充療法だ。妊娠を希望する場合には排卵誘発なども試みられるが、確実な効果が示された治療法は限られている。卵子凍結を目指す場合も、採卵できることが前提になる。
千種さん自身も「パートナーの有無に関わらず、子どもは当然、産む人生になると思っていました」と話す。
「今にして思えば、24歳時点でセカンドオピニオンを受けておけばよかったのです。医師に『単なる生理不順ではない可能性を考え、治療法を提示してほしかった』と願っても、それは今では叶わないこと。だからこそ、自分の体に目を向けることはもちろん、セカンドオピニオンをためらわずに受けることの大切さを伝えたいと思い、野本梢監督、稲村久美子エグゼクティブプロデューサーと映画を制作するに至ったのです」













