「病院にも行っているし、薬も飲んでいるから大丈夫」

千種さんが自身の早発閉経を公表したのは、2022年10月11日の国際ガールズデーだった。

「26歳で早発閉経と診断されました。生理が来なくなったのは24歳の夏を迎える頃で、近所の産婦人科で『結婚や妊娠の予定』を聞かれ、『今はない』と答えると、『様子見しましょう』とホルモン剤を処方されました。その後は、薬で生理を起こしながら様子を見る治療が1年半ほど続きました」

気象予報士の千種ゆり子さん
気象予報士の千種ゆり子さん
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千種さんは2013年に気象予報士資格を取得。その後、気象予報会社のウェザーマップに所属し、2014年にはNHK青森放送局のお天気キャスターとして出演を始めた。仕事で頭がいっぱいの時期だった。それまでは『病院にも行ってるし、薬も飲んでいるから大丈夫』と思い込んでいたが、ほてりやのぼせなどの症状に見舞われるようになり、『何かおかしい』と感じ始めた。

千種さんが今年3月より全国各地で順次公開中の映画『藍反射(らんはんしゃ)』を企画したのは、「私のように、自分の体に起きている変化を見逃してほしくない」という思いから。

自身の経験を出発点に、体の悩みを周囲に打ち明けられず、ひとりで疾患と向き合う20代の未婚女性を描いた作品で、野本梢さんが脚本・監督を務め、エグゼクティブプロデューサーに稲村久美子さんを迎えた。

「10代など若い女の子にも『わたしかもしれない物語』として観てほしい」とも言う。

早発閉経だと診断された当時、千種さんにはパートナーはいなかった。そのため、最初に打ち明けた相手は実の父のみだったという。

「母は子育て中心の人生を送ってきたので、私が子どもを産めないと知ったらショックを受けるだろうと思いました。私の早発閉経のことを母に直接伝えるのは避けたくて、父にメールで告げたのです。

父からの返信には、体や心を気遣う温かい言葉はもちろん、将来結婚して子どもを迎えたいと思った場合にも、さまざまな選択肢があるというアドバイスや、人生の先輩としての激励の言葉が記されていました」

2015年5月19日に父から届いた文面の一部は、このようなものだった。