周囲に打ち明けられず、仕事と治療を両立

千種さんはその後、2016年4月に上京し、テレビ朝日の気象デスクとしてニュース原稿の作成などに携わった。気象予報士として働きながら、本格的な不妊治療をスタートした。「結婚を考える相手はいなかったけど、卵子凍結をする動きを始めました」と言う。

「排卵を誘発するため、毎日夜7時に自己注射を打つ日々が始まりました。『まだ若いから卵子さえ採れれば妊娠できる可能性は高い』という言葉にすがる思いで約2年もの日々を費やし、出費は200万円以上になりました」

治療費はすべて、20代からコツコツと貯めてきたお金で賄った。

「母が倹約家でしたから、私もそれに倣って貯めていたし、一気に大金が飛ぶわけではないですから。ただ、あまり旅行に行かないようにしようとか、無駄遣いしないようにしようと心がけていました」

早発閉経の経験をすぐにカミングアウトしなかったのには、ある思いが
早発閉経の経験をすぐにカミングアウトしなかったのには、ある思いが

千種さんはテレビ朝日『スーパーJチャンネル』の土曜日のお天気キャスターとしてレギュラー出演する一方、2017年には卵胞の有無を調べるための手術を受けている。

「全身麻酔による腹腔鏡手術で4日間ほど入院しました。それも出演と重ならないように行なったし、術後はお腹がものすごく痛くてつらかったのですが、周囲に言えませんでしたので耐えていました。その当時も一橋大学在学中に始めた空手を続けていたので、『空手で怪我した』などと言い訳をしていました」

2017年には、地元・埼玉県富士見市などを管轄する東入間警察署の一日署長に任命された。その後は、クイズ好きが高じて出演が叶った『クイズプレゼンバラエティ Qさま!!』や『ザ・タイムショック』、さらにクイズ特番『99人の壁』などにも出演し、活躍の場を広げていった。

「この時、私はまだ自身の早発閉経の経験をカミングアウトするつもりはありませんでしたが、いずれ言う時が来ると思っていました。この大変な経験に意味を持たせるには、自身の名前と顔を皆さんに知ってもらうことが大事だと。その思いで自らを奮い立たせていました」