「ひどい日はうどんだけでなく、割り箸まで捨てている人がいました」
店側も何も対策をしていなかったわけではない。残飯を入れるバケツを何カ所も設置していたが、用水路へのポイ捨てはなくならなかった。
「特に一部の喫煙者の方ですね。灰皿も設置しているのに、用水路にタバコをポイ捨てするついでのように、食べ終わったうどんも捨てるんですよ。どうしてなんですかね(笑)」
店の脇を通る用水路は、近隣の田んぼなどに水を供給する大切な農業用水路だ。うどんやだしを捨てられると、店だけでなく、近隣の農家にも迷惑がかかりかねない。
山越社長は当時の苦労をこう振り返る。
「用水路の水は、近所で農業を営んでいる人にとって、とても大切なものです。お客さんがうどんをよく捨てていた時期は、営業が終わったら、まず従業員全員で『用水路のうどん掃除』をするんです」
用水路に捨てられたうどんは、水に流されて店の敷地から離れた場所にまで達することもあったという。
「うちから流れていって、用水路の途中で詰まったうどんを回収するんですよ。ひどい時はうどんだけでなく、割り箸まで捨てている人がいる。本当に大変でしたよ」
注意書きは、多い時には3カ所に設置されていた。その後、中庭に食事用のベンチやテーブルが整備され、分煙も進んだことで、用水路にうどんを捨てる客は次第に減っていった。現在は当時の看板が一つ残されている。













