金賞をとったのに敗退…なぜ?
地区大会や支部大会などで金賞を受賞しながら、上位大会への代表に選ばれない――そんな団体を指す言葉“ダメ金”。
一般的には、金賞は「一番」という感覚で、それを取ったのに上位大会に進めないのは奇異に感じるだろう。
吹奏楽の世界では、なぜ「金賞」を受賞しながら、上位の大会に進むことができないのか。
吹奏楽の世界に長く携わり、社会人として働きながら、中学の部活動で外部コーチとして指導した経験のある40代のAさんはこう解説する。
「コンクールでは、金賞、銀賞、銅賞という三つの賞のいずれかが表彰されます。その中から上位の団体が上の大会に進めるというシステムになっていて、その枠の数が決まっています。例えば、上位大会への代表枠が『5団体』と決まっている中で、金賞が7団体出た場合、2団体は代表に選ばれないことになります」
全日本吹奏楽コンクールは、地区大会や都道府県大会などの予選から始まる。審査や代表選出の方法は都道府県や支部によって異なるが、Aさんの言うように、出場団体には「金賞・銀賞・銅賞」のいずれかが贈られ、その中から上位大会へ進む代表団体が選ばれるのが一般的だ。
つまり、吹奏楽の世界では、金賞は「一番」の団体に与えられるものではなく、金賞にふさわしい演奏をした団体に与えられる栄誉というわけだ。相対評価ではなく、絶対評価なのである。ただ、金賞の中でも順位がつけられ、枠が足りなければ上位大会に進めない団体が出てくる場合がある。
「それを、どこの誰が言い出したのかわかりませんが、いつからか金賞を取ったのに上の大会に行けなかったことを“ダメ金”と言うようになりました」
この「ダメ金」という言葉はSNSでは否定的な声が目立つ。
「『ダメ金』って言葉 ホンマに嫌い」
「だれだよダメ金って言葉作ったやつ」
「吹奏楽コンクールで代表逃した金賞にダメ金って言うのもうやめませんか」
せっかく素晴らしい演奏をして金賞をとったのに、「ダメ」という言葉がつけられることに違和感があるのだろう。
ちなみにAさんによれば、代表に選ばれなかった金賞団体が、すべて「ダメ金」と呼ばれるわけでもないという。
「吹奏楽コンクールは、地区大会、都道府県大会、支部大会、全国大会と段階が分かれますが、それぞれの団体のレベルによっても意味合いが違いってくると思います。
例えば地区大会や県大会などでずっと銀賞、銅賞が続いていた団体が初めて金賞を取った場合に、『ダメ金』という人はまずいません。大躍進ですから。
ただ、いわゆる強豪校の場合、目標としていた上位大会に行けなかったとなれば、たしかに『ダメ金』という言い方になるかもしれません。外から見たわかりやすさ、あるいは自身の悔しさを込めて『ダメ金だった』と言うことはあると思います」













