充実した週末は、金曜日の夕方の使い方にかかっている

私は20 代の頃から外資系企業で働き、この言葉が当たり前のように交わされる環境に身を置いてきました。

その経験から感じるのは、単に「週末を楽しんでね」という挨拶以上の意味が込められているということです。

それは、「あなたの時間を大切にしてほしい」という気持ち。

言い換えれば、「週末は仕事から離れて、しっかり休んでほしい」というメッセージです。

そこには、上司が部下に対して、あるいは同僚同士で、相手を一人の人間として尊重する価値観があるように思います。

仕事での時間を大切にするのと同じように、仕事を離れたそれぞれの時間も大切にする。お互いの時間と人生を尊重し合う姿勢が、「Have a nice weekend!」という言葉に自然に表れているのです。

私自身、上司からこの言葉をかけられるたびに、ある種のスイッチが入ります。

「週末はパソコンを開かない」
「家族との時間を大切に過ごそう」

そんなふうに、気持ちが自然と週末モードに切り替わるのです。

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週末を有意義に過ごすために、金曜日の夕方の過ごし方には工夫があります。

アメリカでは、金曜日の夕方から週末トリップに出かける人がいます。

車社会のアメリカでは、車で3〜4時間ほど離れた街で週末を過ごすというスタイルが珍しくありません。平日とは環境を変えることでリフレッシュしたり、近隣の大きな都市に出かけてコンサートやイベント、食事を楽しんだりします。

平日とは違う体験で生活にメリハリをつけ、また新しい気持ちで月曜日を迎えるのです。

そのために、金曜日の夕方から現地へ向けて出発します。土日を丸々その街で過ごすために、金曜日の夕方を移動の時間に充てるのです。

金曜日の夕方の使い方の工夫は、ほかにもあります。

週末に料理を楽しむ予定があるなら、金曜の夜にその食材を買っておく。土曜日を完全なオフにするために、金曜日の夜にジムで体を動かしておく。あるいは洗濯や部屋の片付けなど、ちょっとした用事を済ませておく。

こうした準備をしておくだけで、土曜日の朝から自分が思い描いていた時間を過ごすことができるようになります。

週末の時間は、土曜日の朝に突然始まるわけではありません。週末の時間が幸せで充実したものになるかどうかは、金曜日の夕方の過ごし方にかかっているのです。

週末を思い切り満喫したい人ほど、金曜日の夕方からすでに動き始めています。

文/赤平百合

『世界のエリートが17時になったらやっていること パフォーマンスと稼ぐ力が向上する26の夜習慣』(PHP研究所)
赤平百合
『世界のエリートが17時になったらやっていること パフォーマンスと稼ぐ力が向上する26の夜習慣』(PHP研究所)
2026年10月5日
1980円(税込)
240ページ
ISBN: 978-4569861920
世界で活躍するビジネスエリートは、仕事が終わったあと何をしているのか。本書では、18年間外資系企業で働き、28歳で日本法人代表に就任した著者が、アメリカ、ヨーロッパ、アジアで出会ったエリートたちの「アフター5」を紹介します。人と会って新たなチャンスを生む、家族との時間を大切にする、アートに触れて感性を磨く、大学院で学ぶ、運動や休息で心身を整える――。彼らに共通するのは、終業後をただの余暇ではなく、「人とのつながり」「学び」「心身」を育てる時間として大切にしていること。会社と自宅を往復するだけの毎日から抜け出し、仕事も人生も豊かにするための、新しい時間の使い方を提案する一冊です。

◎本書の内容

第1章 アメリカのエリートは、終業後に「人と会う」
第2章 ヨーロッパのエリートは、終業後に「生き方を考える」
第3章 アジアのエリートは、終業後に「自分を整える」
第4章 二流のビジネスパーソンは、終業後を「なんとなく過ごして」後悔する
第5章 グローバルエリートは、「夜の3要素」を欠かさない
終章 今日から始める、未来をつくる夜

◎本書のよみどころ

1.アメリカ・ヨーロッパ・アジア、「世界のエリートの夜」を疑似体験できる

アメリカでは人と会い、ヨーロッパでは生き方を考え、アジアでは自分を整える。国や文化によって異なるアフター5の実例を豊富に紹介。自分にも取り入れられる習慣が見つかります。

2.「17時以降」が、仕事の成果やキャリアにつながる理由がわかる

人脈を広げる、学び続ける、心身を整える。世界のエリートは終業後に「社会関係資本」「知的資本」「健康資本」という3つの資本を育てています。その蓄積が、転職や新しい仕事、人生の転機で大きな力になります。

3.「もっと頑張れ」ではなく、「自分の時間を取り戻そう」という本

本書が目指すのは、終業後まで仕事や自己研鑽に追われることではありません。家族と過ごす、運動する、人に会う、好きなことをする――自分にとって大切なことに時間を使う。その小さな積み重ねによって、会社や肩書に依存せず、自分の人生を自分でつくる力を育てていきます。

◎こんな人におすすめ

・仕事は頑張っているのに、「このままでいいのだろうか」と感じている人

目の前の仕事だけで毎日が終わり、将来のキャリアや人生に漠然とした不安を感じている人に。

・帰宅後、ついSNSや動画を見て一日を終えてしまう人

「何かしたい」と思いながら、貴重なアフター5をなんとなく過ごしてしまっている人に。

・仕事だけでなく、人生そのものをもっと充実させたい人

人とのつながり、学び、健康、家族、趣味などを大切にしながら、年齢を重ねても自分らしいキャリアと人生をつくり続けたい人に。終業後への投資は、人生が揺らいだときにも力になるというのが、本書の重要なメッセージです。
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