大人ばかりの町内会で感じる難しさ
――実際に町内会長になってみると、初めて知る仕事も多かったと思います。どのように活動を始めていったのでしょうか。
町内会のみなさんからは「せっかく若い世代が入ったんだから、好きにやっていいよ」と言ってもらっているので、これまでのやり方をそのまま引き継ぐというよりは、自分なりにできることを試してみている感じです。
例えば、LINEミーティングを使ったオンライン会議を取り入れたり、ごみの分別を多言語で説明するポスターをCanvaというアプリで作って貼り出したりしています。
――さまざまなデジタルツールを活用できるのは、加藤さんの世代ならではの強みだと思います。一方で、町内会メンバーと年代が違うことで感じる難しさもあるのでは?
一番難しいのはコミュニケーションですね。私だけかなり年齢が離れているので、何気ない雑談や仕事の話をしていても、話の内容をうまく汲み取れないことがときどきあるんです。
それから、町内会長なので、自分より年上の方にお願いや指示をすることもあるんですけど、私の説明がうまく伝わっていなくて、大きなミスにつながってしまったこともあって……。学校で友達や先生と話すのとは違う難しさがあるなと、ひしひしと感じます。
あとは、便利だからといってデジタルツールを強制しないように気を付けています。
そう思うきっかけになったのが、毎回会議に出席してくれている町内会員のおばあちゃんとの出来事です。ある日、その方から体調不良で欠席すると連絡をもらったんです。
ただ、その日は大事なことを決める日でもあったので、ほかのみなさんは対面で集まって、そのおばあちゃんにはオンラインで参加してもらえないか提案しました。でも、「オンラインはイヤなの。ごめんね」と断られてしまって。
最初は「便利なのに、どうしてだろう?」と思ったんですが、あとから祖父母に聞いてみたら、ふたりも同じ意見で。「もう自分たちは古い人間だから、昔のやり方に馴染みがある」と。
――便利だからといって、誰もがオンラインを好むわけではないんですもんね。
そうなんです。それで「急に新しいやり方に変えられると、ついていけなくて町内会を抜けちゃう人もいるかもよ」とも言われて。
そこで初めて、便利だからといって新しい方法を取り入れればいいというわけではないんだな、と気づきました。
なので今は、それぞれが参加しやすい方法を選べるようにしながら、対面とオンラインを使い分けています。













