「死」「殺」「刺」は変えるべき?「言葉狩りだ」の声も

高校野球は今、変革の時期を迎えている。投手の負担軽減を目指し、「1週間で500球以内」という球数制限を2020年から試行し、2025年からは正式採用された。

夏の甲子園でも酷暑対策としてクーリングタイムを設けたり、暑さがもっとも厳しくなる昼過ぎの時間帯を避けるよう試合開始時刻を調整している。また、準々決勝の翌日、準決勝の翌日に休養日を設け、以前のような過度な連戦を避ける試みも行っている。

今夏からは高校野球の全国大会では初めてビデオ検証を導入。過去に物議をかもしたこともある判定をめぐる問題についても、より正確な判定を目指す仕組みを導入した。

そんな中、宮城県高校野球連盟が打ち出したある案が話題となっている。それが、「野球用語の見直し」だ。

野球用語には「一死・二死」「併殺・刺殺・補殺」「犠牲バント」「死球」「盗塁」など、「死」「殺」「刺」「盗」「犠」といった文字を含むものが多い。宮城県高野連は、その一部について「教育的配慮が必要」と問題提起している。こういった表現に代わる言葉を考えてみよう――。野球の普及振興活動の一環でもある取り組みだが、これが思わぬ反響を呼んだ。

宮城県高等学校野球連盟が提案した「野球用語を考えてみませんか?」(宮城県高等学校野球連盟ホームページより)
宮城県高等学校野球連盟が提案した「野球用語を考えてみませんか?」(宮城県高等学校野球連盟ホームページより)
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SNSでは「言葉狩りだ」「野球用語をそんな意味で使うヤツなんていない」など、賛否というよりは「否」の意見が目立つ。また、この取り組みがメディアでも取り上げられると、野球関係者や「野球好き」の著名人からも概ね懐疑的な意見が寄せられている。

この取り組みの意図を理解せず、単に乱暴な言葉をSNS上で発信しているケースは別として、多くの人の脳裏によぎったのは、おそらく「そこじゃない感」だろう。高校野球に何かしらの変革が必要なことは多くの人が理解している。

何かを変えなければいけない――。ただ、「そこの変革なのか?」と言う疑問が残る。

筆者自身、その感覚はある程度理解できる。ただ、宮城高野連の発信を読み込んでいくと、多くの批判も、ちょっとした認識のすれ違いから生まれているように思える。このテーマを取り扱う上で、まず話を聞くべきは当事者だろう。そこで、宮城高野連の松本嘉次理事長に、「野球用語の見直し」についての真意を聞いてみることにした。

「多くの反響をいただいて、正直おどろいてもいます。この取り組み自体も実は1年以上前から始めているものです。それが今年に入っていきなり大々的に取り上げられた。私たちとしては、野球用語をいきなり『変える』とは一言も言っていません。

高野連のホームページを見てもらえばわかりますが、『野球用語を考えてみませんか?』と投げかけているんです。まだ検討委員会も開かれていませんし、まずはみんなで考えてみよう。そういった段階です」