麺より先に具材(肉や卵)を食べると、なぜ太りにくいのか?

ここで、「麺より先に具材(肉や卵)を食べる」という食べ方が、なぜ太りにくいのか、もう少し医学的なメカニズムを掘り下げておきましょう。キーワードは胃が本来持っている消化のブレーキ機能です。私たちの胃は、入ってきた食べ物に合わせて消化のスピードを自動的に調整する、非常に賢い臓器です。

いきなり麺(炭水化物)が入ってくると、胃はそれをすぐに小腸へ送り出してしまいます。これが、血糖値が急上昇する原因です。ところが、先にチャーシューや味玉(たんぱく質・脂質)が入ってくると、胃は「おや、消化に時間のかかる栄養素が入ってきたぞ」と感知します。すると、胃の出口を少し狭めて、食べたものを小腸へゆっくりと送り出すように指令を出すのです。

つまり、最初に具を食べることで、糖質の吸収スピードが自然と抑えられる状態を作るわけです。この状態で麺を食べ始めれば、胃から小腸への流れが緩やかになっているため、糖質は少しずつしか吸収されません。

結果として、血糖値の急上昇が抑えられるのです。これを「カーボラスト(炭水化物は最後)」といいますが、理屈は非常に合理的です。「麺の前に、具を胃に入れて準備をさせる」。これだけで体への負担は劇的に変わります。

さらに、肉や魚に含まれる脂質には、脳の満腹中枢を刺激して「もう満足だよ」というサインを早めに出させる効果もあります。たんぱく質ファーストで、まずはチャーシューや味玉をじっくり味わう。

夏野菜を添えたヘルシーな冷やしトマトラーメン(写真/PhotoAC)
夏野菜を添えたヘルシーな冷やしトマトラーメン(写真/PhotoAC)
すべての画像を見る

この食べ方を心がけることで、無理なく食べすぎを防ぎやすくなるのです。ラーメンは決して太りやすい食べ物ではありません。むしろ、体の仕組みを巧みに利用した、賢い食事になり得るのです。

ただし、小太りくらいの方がかえって長生きするので、そこまで太ることを気にする必要はありません。

同様に、もう一つの懸念である高血圧についても同じことが言えます。「ラーメンは塩分が高そうだから」と高血圧の敵として槍玉に挙げられがちですが、実は現代の日本人の多くは、世間で言われているほど塩分過多の状態にはありません。

その上で、仮に血圧が気になる方であっても、ラーメンそのものを悪者にして排除する必要はないのです。高血圧のリスクもまた、食べる頻度やタイミング、スープの飲み方といった「食べ方」を工夫することで十分に管理できます。