500系との“貴重な並び”を狙い撮り鉄集結

東海道新幹線では、開業以来60年以上にわたり、歴代の検測車両が安全運行を陰で支えてきた。その役割を担い、「新幹線のお医者さん」として広く親しまれてきたのが「ドクターイエロー」だ。線路のゆがみを測定し、架線や信号設備に異常がないかを走行しながら検測している。

また、運行日や時刻が公表されない希少性から、見ると幸せになれる「幸せの黄色い新幹線」とも呼ばれ、鉄道ファンだけでなく子どもや親子連れにも高い人気を集めてきた。

かつてはJR東海とJR西日本が1編成ずつ保有していたが、JR東海の車両は2025年1月に引退。現在残っているのは、2005年に製造されたJR西日本の1編成のみで、老朽化に伴い、2027年1月に検測運転を終える予定だ。

8月18日、広島県三原市のJR三原駅には、ドクターイエローを待ち構える多くの鉄道ファン、いわゆる「撮り鉄」が集まっていた。目当ては、ホームに停車する500系の「こだま」をドクターイエローが追い抜き、2つの車両が横並びになる瞬間だ。

500系も2027年1月13日に定期列車での運転を終える予定で、引退を控えた人気車両同士を同じ画角に収められる、残り少ない機会の一つだった。

ドクターイエロー(左)と500系こだま(写真/読者提供)
ドクターイエロー(左)と500系こだま(写真/読者提供)
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当日、三原駅を訪れていたカメラマンの男性は、混雑したホームの様子をこう振り返る。

「三原駅にはドクターイエローが通過する30分前に訪れたのですが、すでに500系が停車する側の新大阪方面上りホームと、反対側の博多方面下りホームの双方にカメラを持った鉄道ファンが集結していました。少なくとも下りホームには60人以上の方がカメラを構えていたと思います。

成人男性とみられる人が大半で、親子連れは確認できた範囲でわずか一家族だけでした。なかには三脚を立てて撮影する人や、黄色い点字ブロックの外側(線路側)で撮影する人も見受けられました」

三原駅ホームの様子(写真/読者提供)
三原駅ホームの様子(写真/読者提供)

JR西日本は、500系とドクターイエローの写真を募集する公式サイトの応募規約で、「黄色い点字ブロックの外側(線路側)での撮影」などの危険行為を一律禁止している。また、三脚や脚立などを使い、列車の安全運行やほかの利用客の通行、視界を妨げる撮影も禁止するとして、安全を最優先し、駅係員らの指示に従うよう求めている。

黄色い点字ブロックの外側での撮影を行う人も(写真/読者提供)
黄色い点字ブロックの外側での撮影を行う人も(写真/読者提供)