「いずれは墓じまい」それでも決断できない

墓じまいを考えながら、具体的な行動に踏み出せずにいる人はほかにもいる。

関東地方に住む山本さん(仮名・50代男性)は、自宅から車で約1時間の場所にある先祖代々の墓を管理している。墓地に支払う維持費はそれほど大きな負担ではなく、現在も定期的に墓参りを続けている。

しかし、自分の後に墓を守る人がいなくなる可能性を考え、いずれ墓じまいをすることを考えているという。

「今すぐ困っているわけではありません。維持費もそれほど高くないので、現状のままでも当面は問題ない。ただ、自分が動けなくなった後に誰が管理するのかと考えると、そのままにはしておけないと思っています」

近年利用者が増加しているという納骨堂(写真/安中市ホームページより)
近年利用者が増加しているという納骨堂(写真/安中市ホームページより)

将来的に墓じまいが必要だと分かっていても、撤去や改葬にどれほどの費用がかかるのか分からず、石材店などに見積もりを依頼するところまでは進んでいない。

「お金もかかるでしょうし、遺骨をどこへ移すのかも決めなければならない。まだ切羽詰まっているわけではないので、どうしても先送りになってしまいます。自分の代で整理した方がいいとは思っているんですけどね」

親族間の合意形成が壁になる家庭がある一方、必要性を感じながらも「まだ先のこと」と決断を先送りする人もいる。