墓じまい後の選択肢となる樹木葬
墓じまいをした後、遺骨をどこへ移すのかも家族にとって大きな問題となる。その選択肢の一つとして注目を集めるのが、墓石の代わりに樹木や草花を墓標・シンボルとする「樹木葬」だ。
関西地方にある寺では、数年前から樹木葬の受け入れを始め、これまでに1000件以上の申し込みがあったという。同寺の担当者は、その仕組みをこう説明する。
「従来のような石の墓ではなく、この大木が墓標の代わりになります。遺骨を粉状にして埋葬するため、年数が経過すると自然に土へ還っていく仕組みです」
同寺では、複数人の遺骨を納められる25センチ四方の区画を66万円から用意している。納骨代は別途必要となるが、契約後の管理費はかからず、期限を設けずに供養するという。
ただし、樹木葬の埋葬方法や契約期間は、寺院や霊園によって異なる。遺骨を個別の区画へ納める形式もあれば、最初からほかの遺骨と一緒に埋葬する合祀型もある。一定期間を過ぎた後に合祀され、一度納めた遺骨を取り出せなくなる場合もある。
「当寺では期限を設けず受け入れていますが、他所では7年や13年など、一定の期間で区切っているところもあります」(同寺の担当者)
樹木葬を選ぶ際には、埋葬方法や遺骨を将来取り出せるかなど、契約内容を家族で確認しておく必要がある。
厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、墓じまいなどに伴って遺骨を別の墓地や納骨堂へ移す改葬の件数は、2014年度の約8万3574件から2024年度には約17万6105件と、10年間で2倍以上に増加した。
墓を残すのか、墓じまいに踏み切るのか。そして、その費用を誰が負担するのか。4年前から続く岡田さん一家の話し合いは、今年のお盆も結論が出ないまま終わる可能性がある。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













