制約が生み出す新しい表現

──お子さんが生まれてから、お二人は芸人としてどう変化しましたか?

ケムリ 仕事の仕方は変わりましたね。子どもが嫌な気持ちにならないような仕事を選ぶようになりました。ちょっとエロいやつとかはしなくなったり。子どもにとって誇りになるような仕事はしたいので、今も誇りを持って『ラヴィット!』でビリビリ椅子に座ってます。

石田 『ラヴィット!』はいいよな。でもちょうど昨日、飲みながらその話になってん。俺は親として恥ずかしくない仕事を選んできたけど、ダイアンの津田みたいに子どもがいてもお尻に指を突っ込まれてる姿は芸人としてめちゃくちゃかっこいい。ただ、もしその仕事が来ても、俺にはやれない。何ができて何ができないかは人それぞれなんやろうなと。

ケムリ いやー、たしかにそうですね。僕もそもそもエロい仕事が得意な方ではないし。

石田 あと、言葉も選ぶようになるよな。若い頃は刺激的な言葉を簡単に吐けてた。でも子どもが言葉を覚え始めたら、その刺激を残しながらどうやってマイルドに伝えるかという考え方をするようになったかもしれない。

ケムリ わかります。子どもの脳みそって本当に柔らかくていろんなものを吸収するから、世の中のいろんなルールがそれを守ってるんだなというのは親になって気づいたことですね。

子どもたちとやっている番組で『イカゲーム』の話が出た時、子どもが「それ見ちゃいけないんだよ!」と言っていて、年齢制限があることに気づいたんですよ。与えるものを選ぶのはやっぱり必要ですよね。

「できれば、たくさん本を読む子に育ってほしい」という思いで絵本を制作したケムリさん(撮影/集英社オンライン編集部)
「できれば、たくさん本を読む子に育ってほしい」という思いで絵本を制作したケムリさん(撮影/集英社オンライン編集部)

石田 制限されることで、新しい方法が生まれることもあるしな。

ケムリ 制約って大事ですよね。子どもに何かを説明する時って、クリティカルな言葉では伝わらないことも多いじゃないですか。すると、それを表現するためには言語以外のものが必要になってくることもある。そうやって新しい方法を見つけられることも。

石田 そうそう。僕に関して言えば、制約はありがたかった。子どもができた頃にちょうどルッキズムなんかに対する視線が厳しくなってきていた。子どもがいたおかげで、時代に合わせてアップデートできた、乗り遅れずに済んだと思ってます。