ラーメンは一口目が8割
──さらに、今年はご自身のラーメン店「北ノ醤油チーホー」をオープンしました。
今年2月くらいまでは自分のラーメン屋なんて全く考えていなかったんです。ただ、その時期に「東京競馬場でラーメンを提供してくれませんか?」という依頼があって、いざ提供してみたら毎日1000杯以上のラーメンが売れたんですよ。
しかも、競馬が雪で中止になった日でも、僕がいないにもかかわらず多くの人が訪れてくれて。その時に僕自身じゃなくてラーメンの味自体を求めている人がいることに気づいたんです。それで手伝っていただいた「俺の生きる道」の店主さんが本格的に店舗を作ることを提案してくれて、急ピッチで準備を進めました。
──「北ノ醤油チーホー」で提供するラーメンの味を追求する動画では、しきりに味の「尖り」を重視していましたよね。
まず、自分の好きな味を作ろうとしたんです。個人的には一口目に感じるパンチが重要で、ラーメンの印象の8割はここで決まると思うんですよね。なのでしょっぱく感じられるギリギリのラインを目指して「尖り」を重視したんです。
ただ、いざ開店してみると、ラーメンを食べ慣れてるマニアの方は「もっとパンチが欲しい」という感想を抱き、普段からラーメンを食べているわけではない方は「しょっぱすぎる」という印象らしくて。結果的に、今の「北ノ醤油チーホー」では一般的なお客さんに合わせてパンチを調整しています。
──まさにYouTuberとして間口を広げるスタンスと一緒ですね。
結局、お客さんがいないと成り立たないんですよね。お店にもフラッと立ち寄れるようにしたくて、予約制にはしていません。「みそきん(注:YouTuberのHIKAKINが監修するラーメン店)」や「飯田商店(注:神奈川県湯河原町に位置する全席予約制の超人気ラーメン店)」のように一瞬で予約が埋まる店もありますけど、僕がやるならグルメとしてのラーメンというより昼ごはんとして気軽に楽しめるものにしたかったんです。
結局、来てくれるお客さんが全て
──実際にラーメンを作ることによって、SUSURUさんは評論をする側から評論をされる側になりました。ご自身の中で心境の変化はありましたか?
口コミを気にするようになりましたね。全員に刺さるようなラーメンを作るのは本当に難しいことだなって思います。たまにSNSでお客さんの口コミにキレるラーメン屋の方とかいらっしゃるじゃないですか。その気持ちもわからんでもないというか、ちょっと共感できるんですよね。
ただ、僕は絶対に文句を言いません。これもネットで生き残っていく上での術なんですけど、1ミリでも自分の言い訳を混ぜて発信してしまうと、悪評に対して火に油を注ぐような状況になってしまうんですよね。あらゆる人の謝罪動画を見てきたので、僕にはわかるんです。
──とはいえ、店の味やシステムには適宜改良を加えていますよね?
そうですね。例えば卓上のカップに刺すタイプの箸箱を引き出し式に変えたり、レンゲを取りづらい位置に置くのではなくて最初からラーメンに添えて提供したり、ちょっとした意見に関しては積極的に取り入れています。そういうところに突っかかって炎上したラーメン屋をいくつも見てきたので(笑)。結局、来てくれるお客さんが全てなんです。
後編に続く
取材・文/風間一慶 撮影/杉山慶伍













