遠藤離脱で残った不安
サッカー日本代表の北中米ワールドカップは、ブラジル代表に1−2で敗れ、ベスト32で幕を閉じた。
あと一歩だった。先制し、世界屈指の強豪を追い込みながら、最後はブラジルの個の力と勝負強さに屈した。結果だけを見れば「またベスト16の壁を破れなかった」という総括になる。しかし、今大会の日本を振り返るうえで、単純に勝敗だけでは片づけられない事情もあった。
大会前から大会期間中にかけて、日本代表には怪我人が相次いだ。特に痛かったのが、中盤の軸として計算されていた主将・遠藤航の離脱である。守備の強度、セカンドボールへの反応、試合を締める時間帯の判断力。遠藤が担ってきた役割は、一選手のそれにとどまらなかった。
その影響もあり、敗退後のSNSでは、ある名前が改めて注目を集めている。大会前にメンバー外となった守田英正だ。
「やっぱり守田は必要だったんじゃないか」
「遠藤が離脱する可能性まで考えたら、ボランチの層はもう少し厚くしておくべきだった」
「結果論なのはわかるけど、守田がいたら試合の落ち着かせ方は変わっていたと思う」
「ブラジル相手に最後の15分を耐えるなら、経験のある中盤がもう一枚ほしかった」
「三笘、遠藤、久保、守田、南野が出てる世界線のW杯みたいな…悔しい」
こうした声が出る背景には、今大会を通じて日本代表のボランチが手薄に映ったことがある。大会前から怪我人が相次ぎ、さらに遠藤航が離脱したことで、中盤の守備強度や試合を落ち着かせる役割を誰が担うのかという不安はより大きくなった。
強豪相手にリードした時間帯、あるいは相手の圧力を受ける終盤に、ボールを預けられ、流れを整えられる選手がもう一枚いれば――。守田英正の名前が敗退後に改めて浮上したのは、そうしたチーム編成上の課題と重なっていた。
もちろん、代表選考は結果を見てからなら何とでも言える。森保一監督には大会前のコンディション、チーム全体のバランス、複数ポジションをこなせる選手の優先順位など、外からは見えにくい判断材料があったはずだ。選外になった選手の名前を、敗戦後に持ち出すことがフェアなのかという問題もある。
それでも、ブラジル戦の終盤を見れば、「たられば」を言いたくなる余地は確かにあった。
NHKで解説を務めた本田圭佑も、試合後に「たられば」を言い始めたらキリがないと前置きしながら、それでも“もしも”の話に踏み込んでいた。勝負の世界では禁句に近い言葉だが、敗退直後の総括において、「たられば」は次の4年に向けて、何を準備すべきだったのかを考える入口でもある。













