「今は大学生の半数程度が奨学金を借りています」
さらに、鴨田弁護士は救済制度の周知の必要性も訴える。
「少しずつ改善されてきてはいますが、奨学金を返せなくなった場合の救済制度などについてはあまり周知されてきませんでした。
我々としても、奨学金を利用すると将来的に不利益を被る、と言うつもりはありません。
正しく理解していただいたうえで自分の判断で選んでいただく、そして万が一返済できなくなったときのことを考えておくことも大切だと考えています」
こうした現状は、実際に奨学金を利用する若い世代にどのような影響を与えているのか。
若者の声を政治に反映させることを目指して活動する「日本若者協議会」代表理事の室橋祐貴氏は、奨学金を取り巻く状況について次のように話す。
「今は大学生の半数程度が奨学金を借りています。また、この10年ほどで授業料が上がっていることから、奨学金を借りる金額も上がっています」
室橋氏が指摘するように、何らかの奨学金を受給している学生の割合は大学学部(昼間部)で51.1%とおよそ半数にのぼる(令和6年度「学生生活調査結果」日本学生支援機構)。
その背景には、親世代の経済的な余裕のなさもあるという。
「以前よりも、『(学費は)自分で払うものだよね』といった感覚が学生の間に浸透してきていると感じます。
今の学生の親世代は、いわゆる就職氷河期世代とも重なるため、親にも余裕がないですし、実際に仕送り額もすごく減ってきています。
今の高校生や大学生はみんな奨学金を借りる前提、自分で授業料を払うのが前提ですから、国公立大を目指す子も多くいます。
とはいえ、東大をはじめとする国公立大学の授業料も引き上げが相次ぎ、私立文系で年間80万円とか普通に超えてきます。私が学生だった頃と比べても10万ぐらいは上がっており、かなり厳しくなってきていると思います。
物価高騰に賃上げが追い付かず、社会保険料なども上がってきているなかで、手取りの金額に余裕がなくなってきています。
そこにさらに奨学金の返済がのしかかると、ますます結婚したり子どもを持ったりする余裕がなくなります。
そこに対して政治が何か対策を講じる必要があるのではないか。そうしたことも含めて、まだ議論も広がっていないと感じています」












