埼玉自慢
真堂 須賀さんとの共通点に、埼玉があるんですよね。私は生まれたのは新宿なんですけど、10年ほど前に埼玉県熊谷市に引っ越して。今回、エッセイに出てくるから映画『翔んで埼玉』を観たらオープニングが熊谷なんですよ。誇らしいような恥ずかしいような変な気持ちになって。あ、私も立派な埼玉県民になりつつあるなと思いました(笑)。
須賀 たぶん埼玉で一番有名なのは私の地元名物の草加せんべい(笑)。私は好きですけど、ガチで硬いから、一般的にはもらっても嬉しくないかなぁ……。
真堂 熊谷の名産ってなんだろう?
須賀 やっぱり暑さじゃないですか。(地元のデパート)八木橋の温度計が毎年熱い戦いを繰り広げているじゃないですか。日本一の記録、残念ながら破られたけど。県民としては日本一でいて欲しいから、もっと暑くなってよって応援していますよ。
真堂 熊谷の暑さって質が違うんですよね。その前にいた練馬も暑かったんですけど、熊谷は並木が見当たらなくて、日光を遮るものがない。
須賀 でも埼玉は住むには結構いい所でしょ。今回の表紙のイラストは、コバルト時代からのおつき合いの梶原にきさんに描いていただいたんですけど、草加せんべいを持って、春日部特産の麦わら帽子をかぶっています。
真堂 県鳥のシラコバトの絵も中に出てきていますよね。
軽快だけど贅沢なお茶会のノリ
真堂 ところで、こんなにまとまりのない対談で大丈夫なんでしょうか。
須賀 この本のコンセプトが、方向性皆無でいい、ということですから、大丈夫でしょう。
真堂 初めてのエッセイ本ということですが、読んでいて須賀さんの身振り手振りや声の調子が感じられて本当に面白かったです。シャープだけど、照れがあるのが須賀さんらしいなって。絶妙な照れがエンタメ要素になっていて、読んでいてすごく心地いい。
須賀 自分じゃちょっと正視できないんですけどね。常識外れだった昔のあとがきのノリで書いたから、ああすいませんって……(笑)。
真堂 私も、書きたいものを書いているだけという感覚は、昔と変わりません。
須賀 でも、みんなずっとそうですよ。きっと変わらないよね、あの時代から書いている人たちは。多少ジャンルが変わっても、スタイルは変わらない。
真堂 私、須賀さんの『また、桜の国で』を読んだとき、クライマックスに近づいていくと、やっぱりこのドキドキ感はコバルト作品と変わらないものがあるなと思いました。
須賀 そうかも……。一般文芸を書いているときは、コバルトとは書き方を変えるんですけど、クライマックスになるとコバルト時代のパターンが混じってくるんです。そうすることで本来の自分が出てきて、テンション上がると文章に血肉が通って読者も乗ってくれるというか、そういうのはありますね。
真堂 やっぱり血のたぎりみたいな、そういうのは変わらないのですね。
須賀 うまく、真面目な話で締める感じになりましたね。今日はありがとうございました。
真堂 皆さん、こんな感じの軽快だけど贅沢なエッセイ本です。おしゃべりに加わる感じで、お茶会のノリでお楽しみください。














