障がいではなく、ただの偏りかもしれない

なので、基準値外の行動力は「多動」とされ、規格外に集中するものが変化することを「注意欠陥」と呼ぶ形になってしまうわけです。

しかし医学はどんどん変化しています。

以前は、授業中に上の空になって別のことを考えてしまうなど、目の前のことと無関係な思考が自生することはADHDに特徴的な「困った欠陥」と思われていました。

ところが、アインシュタインやモーツァルトの研究を通して、それはマインド・ワンダリングという、創造的かつ仕事に必須な能力であることを昭和大学の岩波明教授が突き止めています。

さらに、以前は周囲と話題が合わず、集団に馴染めないことで孤立していた子供たちは、そのまま「変わった子供」として社会に埋もれてしまっていました。

それがいまや、アメリカ教育省では、そのような子供たちは、ギフテッド(同世代の子供と比較して、並外れた成果を出せるほど、突出した知性と精神性を兼ね備えた子供)として、特別なクラスで大切に育てられているのです。

もしADHDかも? と自分を疑う方がいれば安心してください。

あなたが障がいだと思っているそれ、ただの偏りです。

もっと言えば、標準に入っている人が思いつかないことを想像(創造)できる能力なのです。

それはもはや才能、天から授けられた翼です。

ですから、もう自分を否定するのをやめてください。

精神科医の平光源氏
精神科医の平光源氏
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自分の短所と思っているところは実は天から授けられたかけがえのない長所なのです。

世界は、新しいアインシュタインを、モーツァルトを、ジョブズを、そしてフェルプスを待ち焦がれています。

次の1人はあなたかもしれません。

文/平光源

頑張れないんじゃなくて、頑張りすぎただけ
平 光源
頑張れないんじゃなくて、頑張りすぎただけ
2026/4/9
1,650円(税込)
256ページ
ISBN: 978-4763142993

――家族のため、同僚のため、友人のため。
誰かのために走りつづけてきた、優しい人へ。


朝目が覚めても、鉛のように体が重くて動けないとき。
「まだ大丈夫、やれる」と、自分を騙しながら笑っているとき。
普段なら流せるはずの小さなことで、涙があふれて、止まらなくなってしまったとき。

それは、あなたが弱いからではありません。
あなたは頑張れないんじゃなくて、頑張りすぎただけ。

精神科医で、ベストセラー『半うつ 憂鬱以上、うつ未満』の著者が贈る
頑張り屋さんの肩の荷をそっとおろす言葉。

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外来の患者さんから、よくこんなことを言われます。
「もう頑張れません。こんな自分が情けないです」

そう言ってうつむく方を見るたびに、私はこう伝えたくなります。

「それは、素晴らしいことなんですよ」  (本文より)
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※本書は2021年に小社より刊行された 『あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから』 を改題、加筆・再編集したものです。

【目次より】
●「立ち止まっちゃいけない」を「立ち止まれた」に
●人間だけが1年中、頑張っている
●心臓だってサボってる
●親の願いとあなたの幸せが同じとは限らない
●「自己肯定感」と「自分を好きになる」は違う
●「死にたい」のは死ぬほど頑張って生きている証拠
●人との違いが、あなたを特別にする
●誰もがあなたを嫌いになる自由がある
●人を嫌いになる前にできること
●落ち込んでいる人と同じジェットコースターには乗らない
●人生は、途中まで苦労するようにできている
●迷惑は「なくすもの」ではなく「許しあうもの」
●生きている人ができることは「生きること」
など

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