2026年3月に、集英社オンラインで反響が大きかった人気ニュース記事のベスト5をお送りする。

第1位は、学歴詐称問題で揺れる田久保前伊東市長の記事だ。その後に在宅起訴となったが、記事では地元の声などを取材した。
第2位は、18歳の女性を殺害した罪で22年の実刑判決となった事件の記事だ。容疑者は一体どんな人物だったのかを詳報した。
第3位は顔出しで過去のいじめを告発した女性のインタビュー記事、第4位は世間を震撼させた池袋・女性店員殺害の記事、第5位はベトナム人実習生を違法に働かせたピーマン農場主の記事だ。

第1~5位のランキングは以下の通り。

第1位
「もう言い逃れできない」「卒業証書はニセモノ」と静岡県警は断定 田久保前市長は起訴か…“68単位”発覚で支持者離反、現市長は1億円請求へ

第2位
〈江戸川・18歳女性殺害〉「遺体を弄び被害者の尊厳すら奪った…」パンチパーマ男(33)に“異常かつ悪質”と懲役22年の判決「小さな頃から悪ガキだった」

第3位
〈独自〉19歳少女が壮絶いじめを顔出し告白「メダカとからかわれ、筆箱を取られ、道路に突き飛ばされ…」150年の伝統校で起きた重大事態「まだ過去が足かせになっている」

第4位
〈池袋ストーカー殺人・親族の告白〉「彼女ができたんだ!」と母親に自慢していた廣川容疑者(26)幼少期に両親が離婚、学生時代は「沖縄で水泳頑張っていた」大学受験は失敗

第5位
失踪したベトナム人技能実習生13人を住み込みで働かせた中国籍のピーマン農場主(36)を逮捕…地方で広がる“闇の受け皿”の実態〈岩手〉

↓以下記事本編

関東在住のナナミさん(仮名・19歳)は小学校5年生のときに同級生複数人からいじめに遭い、後にPTSDと強迫性障害を患い今も苦しんでいる。昨今、大阪府寝屋川市や東京都立川市の「いじめ監察課」が話題を呼んでいるが、学校だけでは対応がままならない現実がある。ナナミさんのケースは、学校の対応が遅れ、市がいじめ防止対策推進法の「重大事態」となり、再発防止の観点から第三者委員会も設置された。ナナミさんのケースを通し、改めて「いじめ」と「その後」について深掘りする。

「命の危険を感じた事もありました」

「9年前に受けたいじめが原因で私の人生は大きく変わりました」と、ナナミさんは静かな口調で切り出した。

取材にあたり、顔出しで記事を掲載するリスクをナナミさんに伝えると、彼女は「顔を出して話すことで『いじめ』に対して真剣に考えてくれる人が増えると思うんです。それに私にとっては堂々と話せることです』と強い覚悟をみせた。

現在のナナミさん(家族提供)
現在のナナミさん(家族提供)
すべての画像を見る

ナナミさんの通っていた関東のある小学校は150年以上の歴史を誇る伝統校で、ここに子どもを通わせるために学区内に引っ越してくる人も多いと言われるほどの人気校だ。

当時、ナナミさんは学校に行くのを毎日楽しみにしていた。友だちと一緒に下校し、放課後は公園で遊ぶ、どこにでもいる活発な子どもだったという。

しかし、小学校5年生の5月から何の前触れもなく「いじめ」は始まった。ナナミさんが振り返る。

「理科の授業の一環でメダカを育てることになり、私のクラスに水槽が置かれました。水槽のメダカを見ながら1人の女子児童が『ナナミに顔が似てる』と言い出し、私のことを『メダカ』と呼ぶようになりました。

なんとなく恥ずかしいあだ名だと思い、それは『嫌だ』と伝えましたがやめてくれず、次第にみんなが『メダカ』と呼ぶようになったのが、いじめのきっかけでした」

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
写真はイメージです(写真/PhotoAC)

いじめに加担していたのは複数人の女子児童で、そこからいじめはエスカレートしていく。

ナナミさんの筆箱を取り上げて仲間内で回したり、床に叩きつけるなどの行為が毎日、休み時間ごとに行なわれた。

「他にも髪の毛を引っ張られたり、脇の下から手を差し込まれて羽交い絞めのような形で首を絞められたりしました。ランドセルを引っ張られ体を振り回され、階段から転がり落ちそうになったり、下校中に突き飛ばされ、車道に転んでしまい命の危険を感じたこともありました。

メダカ以外にもイワナと言われる事もあり、目にげんこつを押し当てられて『イワナは眼から棒を突き刺して焼くんだぞ』と脅されたりもしました。また『私は猫、お前はネズミ、お前は獲物だから逃がさない』とも言われました。いじめられるようになって2か月が経っていましたが、この時身の危険を感じるようになり母に打ち明けました」