就活をせず芸能の道へ、朝ドラオーディションで見えたもの

──高校では、全国高校総体、全国選抜大会ともに女子団体3位に輝いていますね。大学でも剣道に打ち込んでいたそうですが、卒業後の進路はどのように考えていましたか?

何も考えてなかったです(笑)。まともな就職活動はしておらず、実業団という道もありましたが、大学では納得のいく結果を残せなくて。「どうしようかな」と街を歩いていたときに今の事務所にスカウトしてもらったんです。

当時は芸能界のことも正直わかっていなかったんですが、小学生のときに1年間だけミュージカルの劇団員をしていたことがあって。スカウトされたときにその記憶をふと思い出して、「芸能の世界で頑張ってみたい」と思うようになりました。

──実際芸能界に入ってみてどうでした?

思っていたものとは全然違いました。事務所に入れば自動的に仕事がもらえるような仕組みだと思っていたので…(笑)。そういう意味では厳しい世界でしたね。

悔しかったことのひとつが、朝ドラ「カムカムエヴリバディ」のオーディションです。お芝居の経験はそれまであまりなかったのですが、どうしても受かりたくて。戦争がテーマだったこともあって、役の気持ちを理解しようと、その時代を生きた方の話を聞いてからオーディションに臨みました。

話を聞くために夜行バスで岡山に向かって、お寺の住職さんから当時の様子を聞いていたら、感情移入して涙が止まらなくなってしまって。

「この作品に絶対受かりたい」という気持ちは強くなっていったんですが、オーディションの結果は落選で。気持ちだけでなんとかなる世界ではないんだな、というのは大きな勉強になりましたね。

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──すごい経験ですね。

そのあと、プロデューサーさんから「結果は縁が無かったけれど、すごく心に届きました」とお手紙をいただいて、感情はちゃんと届いていたんだと感じました。

「知ろうとする」ことで仕事への取り組み方が変わるんだ、というのはこのときに学びました。だから今は、ドラマを観ては演技を真似してみたり、ワークショップに行ったり、番組やドラマを作る人のインタビューを読んで意図を知ろうとするようにしています。まだテレビでの露出は全然多くないですが、チャンスをいただけたときに備えて、準備だけはできる限りしておきたいと思っています。