突如発表された「ナビダイヤル通話料改定」の衝撃

ナビダイヤルのサービスを提供するNTTドコモビジネスは今年2月、公式HPにて「ナビダイヤル通話料の改定について」というお知らせを発表した。発表によると、2026年10月1日(木)より、携帯電話からナビダイヤルへ発信した際の通話料が現在の「11円(税抜10円)/20秒」から「22円(税抜20円)/30秒」へと引き上げられるという。実に約33%の値上げである。

値上げを告知する文書(画像/NTTドコモビジネス公式HPより)
値上げを告知する文書(画像/NTTドコモビジネス公式HPより)

特にサービスの解約手続きや、商品に対する苦情・トラブルのために電話をしている時、保留音のまま延々と待たされ、その間も課金され続けるナビダイヤルは、消費者のストレスを増幅させる大きな要因となっている。

さらに消費者の不満に拍車をかけているのが、「通話料定額サービス(かけ放題プラン)の対象外」であるという点だ。せっかく携帯電話料金でかけ放題プランを契約しているのに、ナビダイヤル(0570から始まる番号)に発信すると別途料金を請求されてしまう。SNSなどでも、

「なぜ自分が高い通話料を払わなければならないのか」
「これ、未だに意味がわからない。 なぜ通話料以外に追加料金をとられるの?」
「保留の間は課金されない様に法律変えてほしい」

といった不満の声が飛び交った。

消費者のストレスが限界に達しつつある中で、なぜ今値上げに踏み切るのか。そして、そもそもなぜ企業はこれほど消費者に嫌われがちなナビダイヤルをあえて採用するのか。ナビダイヤルを提供するNTTドコモビジネスにきいてみた。

広報担当者に率直に値上げの理由を問うと、

「昨今の物価上昇や人件費の高騰を踏まえ、安定したサービスの提供と品質向上のために料金を改定させていただくことになりました。人件費はもちろんのこと、通信サービスを維持・提供するための機器や設備の調達コストが上がっておりまして、総合的な判断で値上げを決めました」(NTTドコモビジネス広報担当者、以下同)

という。

しかし、取材を進める中で、担当者の口から意外な事実が語られた。通話料対象外であることから、電話をかける側への負担感が強いように感じてしまうが、実はナビダイヤルは今までは一般的な携帯電話の通話料より安かったのだという。

「一般的に携帯電話会社さんが提供する通話料は『30秒で22円(税込)』が標準的な水準です。これまでは大体のケースにおいて、ナビダイヤルの料金設定はその水準より少し安く(20秒で11円に)抑え気味に設定してまいりました。今回の改定は、今まで少し頑張って安くしていたところを、携帯電話会社さんの水準に合わせさせていただく、という意図になります」

つまり、消費者の感覚としては「ナビダイヤルは高い」と思ってしまいがちだが、実は純粋な秒数あたりの単価で見れば、これまでは通常の携帯電話の通話料よりも「安く」設定されていたのだ。それを今回の改定によって、通常の通話料と同等の水準に引き上げるというのが、値上げのもう一つの大きな理由であった。