なぜ企業は「消費者泣かせ」のナビダイヤルを採用するのか?
さらに「なぜかけ放題の対象外なのか?」という質問をぶつけてみたところ、
「これについては、発信側の携帯電話会社様の方で決定権があるものなのです。何を定額通話料の対象にするかというところは、あくまで発信側の事業者が決めることですので、我々(NTTドコモビジネス)の方ではお答えができないところになります」
との回答だった。
かけ放題の対象外となり、発信者に通話料の負担を強いるナビダイヤル。ちなみに、「なぜ問い合わせの電話で企業側はお金を儲けようとするのか」という声もSNSでみられたが、発生した通話料の収益はすべてNTTドコモビジネスに入り、ナビダイヤルを導入している企業側に入るわけではないそうだ。
本来は企業にフリーダイヤルを採用してほしいものだが、それは企業側もコスト負担を嫌っているということだろう。それではなぜ、通常の市外局番(03や06)ではなく、わざわざナビダイヤルを採用するのだろうか。「もしかして、通話料がかかることを最初に明示することで、顧客からの電話(クレームや問い合わせ)を抑制したいという意図があるのではないか?」と意地悪な質問をぶつけてみた。これに対し担当者は、
「(電話を抑制する意図は)ないと思います。各社ともお客様対応を大事にされていると思います」
と否定した。企業がナビダイヤルを採用する最大のメリットは、「全国共通の0570という1つの番号に窓口を統一できること」にあると解説する。
「企業のコールセンター運営は複雑化していて、複数の拠点で電話を受けているケースが多いんです。例えば、お昼の時間帯はこのコールセンターで受けたいけれども、夜間は別のコールセンターに委託している、といったケースがあります。そうした場合でも、0570の統一番号にしておくことでスムーズに運用できます」
また、通常の固定電話番号(03や06など)にしてしまうと、「どこにコールセンターがあるのか(場所)」が発信者に分かってしまうという問題がある。全国規模の対応窓口として機能させるため、特定の地域を連想させない0570番号が重宝されているとのことだった。
もちろん、これらの理由を知ったからといって、「延々と待たされながら課金されるストレス」が消えるわけではない。だが、単に「ナビダイヤルが悪党である」という誤解を持っていた消費者にとっては、見方が少し変わる事実かもしれない。
とはいっても、消費者に落ち度のない問い合わせや苦情、またはサービスの解約などの通話料が消費者負担というのはやはり納得がいかないものだ。企業側はフリーダイヤルにするか、あるいはウェブでのチャットサポートや解約システムを充実させ、消費者に負担させることのない仕組みにしていただきたい。
取材・文/集英社オンライン編集部













