死後も被害者の尊厳を何重にも傷つけていた

判決などによると渥美被告は2023年6月7日ごろ、都内またはその周辺に駐車していた乗用車内で、交際相手の女性Aさん(当時18歳)の胸などを刺して殺害。その後、高校時代の同級生だった男(死体遺棄罪で有罪確定)と共謀して遺体を山梨県小菅村の山中に遺棄した。

裁判員裁判では検察側が冒頭陳述で、渥美被告は交際していたAさんと同年5月ごろから関係が悪化し、2人きりの車内でナイフで複数回刺して殺害、その後に同級生を呼び出してAさんの遺体をブルーシートで包み、一緒に遺棄したと述べた。

また、渥美被告は車内で血のついたシャツを着た遺体をスマートフォンで撮影しており、その動画が保存されていることも指摘した。

渥美被告(写真/知人提供)
渥美被告(写真/知人提供)
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一方、弁護側は冒頭陳述で、Aさん生存時には車内には渥美被告と同級生の男もおり、Aさんが刃物を取り出して渥美被告を刺そうとしたため、男が止めに入った際、刃物が刺さったなどと訴えていた。

社会部デスクがこう解説する。

「そもそも渥美被告は死体遺棄容疑で逮捕、取り調べの際には警視庁捜査1課に『Aさんを刺した』と殺害をほのめかしていた。しかし殺人容疑で再逮捕されてからは『ノーコメント』などと殺人罪を免れようとしていた。

しかし、捜査段階で警視庁はAさんが渥美被告に対して『しつこい男。別れたい』と周囲に相談していたことを突き止めており、執着していた渥美被告が別れ話に応じずに犯行に及んだとみて裏付けを進めていた。

さらに遺体を司法解剖した結果などから、渥美被告がAさん殺害後に何度も遺体を弄び、死後も被害者の尊厳を何重にも傷つけていたことを突き止めていた。

また、Aさんのスマホから殺害翌日に職場に「仕事を休む」というメッセージが送られていたり、10月下旬まで家族らに無料通信アプリの連絡が入ったりするなど生存の偽装工作を繰り返していたことも手伝い、裁判員や判事の被告に対する心証は『異常かつ悪質』と形成されていったのです」