ロス五輪でのリベンジに期待

「学生時代から、どちらかと言えば周囲の目とか、声とかはあまり気にならない方でした。数字も気にしないですし、過去は過去。たとえば昨年、結果を残して今季はどうとか言われることも多いけど、まったく気にしていないです」

ベネズエラ戦で適時二塁打を放ち、「お茶立てポーズ」をする佐藤輝明(写真/共同通信社)
ベネズエラ戦で適時二塁打を放ち、「お茶立てポーズ」をする佐藤輝明(写真/共同通信社)

思えば12球団屈指の人気を誇る阪神タイガースという“特殊な球団”にドラフト1位で入団しながら、1年目から5年連続2ケタ本塁打。打てないときは容赦ないバッシングを浴びながら、それでも成長を遂げた男だ。

日本のWBCが終わり、ここからは一気にシーズンモードに入る。WBCベスト8という結果、さらには村上、岡本和真といったスター選手のメジャー移籍など、日本球界には課題と不安が入り混じる実情がある。

2年後にはメジャーリーガーも参戦予定のロサンゼルス五輪が、その後には「リベンジ」を期待されるであろう次回WBCも開催される。兼ねてからメジャー志向があることを報道されている佐藤が、そのときどの球団のユニフォームを着ているかは正直わからない。

ただ、少なくとも2026年のNPBには、縦じまのユニフォームを纏った佐藤輝明がいる。

今季も、NPBの主役はこの男――。佐藤輝明がWBCで世界に示した可能性は、それを確信させるに十分すぎるものだった。

取材・文/花田雪