撮影は月に50人前後
チチの写真の特徴は「爽やかさ」ではないか。パステル調だったり、季節の風などを感じると伝えると、こんな答えが返ってきた。
「一番は、色味を意識しています。爽やかかどうかは分かりませんが、女性の身体や肌がキレイに見える色味を常に意識しています」
繊細な女性目線が、男の私には「爽やか」と映ったのかもしれない。また、他のカメラマンも同様だが、チチも女性たちとのコミュニケーションを大切にしていると言う。しかし、重要なのは「距離感」だと語る。
「発言は結構気をつけています。相手の子の気持ちに寄り添いたいけど、深く入り込み過ぎない。内容についても、ナイトワークの仕事は秘密も多いから、深く聞き過ぎると良くない場合があります。
たとえば、初めて撮影する人に対しては、お店のカラーとかその人の売り方とか、どのように見せたいかを聞きながら撮っています。過度にコミュニケーションを取るというよりも、緊張をほぐすような会話で撮影しています」
そんなチチは、月に50人前後撮影している。都内のスタジオや2~3カ月に1度の出張企画を立て、避暑地や観光スポットなどで撮影を行っている。このペースが自分に合っていると笑う。そして、現在の仕事についてチチはこう語る。
「人の役に立っているという実感が初めて湧きました。私は、ナイトワークカメラマンでありSNSカメラマンでもあります。なので、自分の写真がSNSでどれだけバズッているかどうか分かりやすい。インプレッション数(ユーザーの画面上に表示された回数、閲覧回数)とかいいねの数が多ければ、その子の役に立っているって分かりやすいので、やりがいを感じる面もあります」
そんなチチは日頃から、ある言葉を大切にしている。
〈写真に正解なんてないし、正解がないから楽しい〉
チチの写真の世界観は、自由を謳歌し、絶えず挑戦しているからこそ表現されているものなのだろう。「正解のない自由」は、果てしなく続く地平線のようなものかもしれない。それをしんどいと思うか、楽しいと思うかで、全く違う景色になってくる。
間違いなくチチは、自由の持つ厳しさを理解しながら、それを受け止めて楽しむ強さを持った写真家だといえるだろう。
まさに“風カメ界の長澤まさみ”とも呼べる美貌の持ち主のチチだが、心底ナイトワーク女性たちをリスペクトしている。そして彼女たちを応援するため、日々、華奢な身体にカメラや三脚など重い荷物を抱えて、さまざまな場所でシャッターを切っている。
#3に続く
文/山田厚俊













