「言われたことは守る子だったんですが……」
内藤容疑者の指示で動いたとされる千布(ちふ)魁容疑者(28)は、埼玉県上尾市で両親2人と計3人で暮らしていた。近隣住民の間では、その印象が大きく分かれている。
年配の女性住民は、驚きを隠さない。
「魁くんはうちの孫とも交流があって、顔を見れば『おはよう』と挨拶してくれる素直な子だと思っていました。『就職決まりました!』と言うから『頑張んなさいよ』と言ったら『はーい!』って。
車やバイクが大好きで、夜中に乗っていることもありましたが、近所から『音がうるさい』と伝わると、それからはピタッと音がしなくなった。言われたことは守る子だったんですが……」
一方で、他の女性近隣住民は異なる印象を語る。
「バイクの音がうるさかった。夜中の12時とか1時でも音を立てて、暴走族か何かかと思っていました。一家が引っ越してきたのは10年前くらいです。ご近所付き合いも控えめな家でした」
千布容疑者は自動車関係の学校を卒業後、車の販売店などで勤務し、逮捕直前まで「越谷の方まで仕事に行っている」と近隣住民に話していたという。
今回の事件の背景には、現場となった武蔵小山エリアの異常な地価高騰がある。再開発が進む同エリアの地価はこの10年で2倍に跳ね上がり、周辺の坪単価は400〜500万円に達している。
「ついこの間も、この裏の土地が坪単価660万円で売れて話題になっていました。地元の不動産業者も『あそこは地価が上がるのは分かっていた。誰もが欲しい土地』と言っていましたね」(武蔵小山の近隣住民)
管理会社および内藤容疑者の計画は、周辺の個人宅やアパートを丸ごと取り込み、部屋数を増やした6階建てのマンションを建設することであった。しかし、1軒の個人宅が立ち退きに反発したことで、計画を実行するための工作は激化した。
「数年前にアパートが空き家になったんですが、地元の業者も『交渉してもどいてくれないから、嫌がらせ的に火をつけたのだろう』と話していました。逮捕前から近隣では『地上げ屋によって放火されたのではないか』とずっと噂になっていました」(前同)
また、一部の実行役が事件後に報酬として現金100万円を受け取っていたとすでに供述している。警視庁では、内藤容疑者の個人的な暴走だけでなく、組織的な関与や黙認がなかったかについて、押収した資料の解析を進めている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













