答えが合っていても「バツ」になるケースとは
つまり小学校のテストでは、単に答えが合っているかどうかだけでなく、普段から言われているルールや決まり事を理解し、実践できているかも測っている面がある。
「小学校のテストは理解度を測るためのものではあるんですが、それだけじゃないんです。人に見てもらうものは丁寧に書く、学んだことをきちんと活かす。社会人になるための基礎を児童に身に付けさせる意図があるのです」
ここに、小学校教育特有の前提がある。中学や高校のテストが“正答率の測定”を主目的とするのに対し、小学校のテストは学習態度の訓練も同時に担う。つまり教師にとって、テストは採点の場であると同時に「指導の場」でもある。
「ほかに具体例をあげると、算数で、“式”と“答え”をそれぞれ回答する問題があったとします。“式”の回答スペースに、“答え”まで書いていたらバツにします。国語の読解問題で、『文章から抜き出せ』という指示があれば、一言一句同じように書かないとバツ。選択問題も同様に、選択肢と同じ書き方でないとバツです」
教師が見ているのは、正しい回答ができるかどうかだけではない。
「私たちは単純に教科の理解度だけじゃなくて、問題の意図を読み取ってそれに沿う回答ができる力も育てたいという思いで子どもたちに指導しています」
つまり、今回SNSで話題になったのは、意地悪で頭の固い教師などではなく、形式だけでなく普段の態度まで含めて児童を見ている、優しくて柔軟な教師なのかもしれない。
テストの模範解答と照らし合わせ、合っていれば単純に〇をつけていくほうが手間は省ける。人手不足や“モンスターペアレント”の問題もあり、教師も余計なトラブルは避けたいはずだ。それでも一人ひとりの答案用紙を流し見せず、丁寧に確認している教師の努力にも目を向けるべきではないだろうか。
取材・文/集英社オンライン編集部













