「結婚じゃなくて、もっと広い意味での繋がりでもいいかも」

――お二人にお聞きしたいのですが、「結婚」って改めてどう思いますか?

敦森 私、「結婚願望」は昔からなくて。でも「家族願望」はすごいあります……って言うと「それ結婚願望じゃないの?」って言われるんですけど、全然違います。結婚と家族って別だなって。例えば、結婚は紙を出せばできる。でもそこから家族になるのがむずいんじゃないかって。

デート中に勘違いを加速させる中川さん(『独りで死ぬのはイヤだ 年収200万円、48歳独身漫画家の婚活記』)©中川学/集英社
デート中に勘違いを加速させる中川さん(『独りで死ぬのはイヤだ 年収200万円、48歳独身漫画家の婚活記』)©中川学/集英社

――なるほど。

敦森 だから結婚願望がある人って、何を思ってそう思っているのかなってよく思います。だから以前、結婚するメリットについて調べたことがあるんですね。そしたら、パートナーが病気のとき、妻だとサインできたり、集中治療室に入れたりすると。それは、確かにメリットかなとは思いましたが、そこだけだなって。

漫画家・敦森蘭さん(主な著作に『よりみちエール』藤原ヒロユキ監修・講談社 全2巻など/展示「#ボーキョーイントーキョー」)
漫画家・敦森蘭さん(主な著作に『よりみちエール』藤原ヒロユキ監修・講談社 全2巻など/展示「#ボーキョーイントーキョー」

――中川さんは「結婚」って何だと思いますか?

中川 哀川翔さんの言葉が好きで。「家族は族」っていう。

――どういう意味ですか?

中川 家族ってコミュニティというか、結束の強いグループみたいなもの。そう捉えたら「家族をつくるっていいな」って思えたんです。

敦森 でもそれって家族じゃなくてもコミュニティつくれるんじゃないですか。縄文人みたいな感じで。

中川 わかります。でも、婚活してるうちに、別に結婚して家族をつくりたいわけじゃないのかなって気持ちにも一時期なってきて。血が繋がってるとか結婚とかじゃなくて、もっと広い意味での繋がりでもいいのかなって。

敦森 『やすらぎの郷』(2017年/テレビ朝日系)みたいな?

中川 なんですかそれ?

敦森 身寄りがないお金持ち芸能人が老後、施設に入って、コミュニティをつくるドラマがあるんです。今リアルに、そういう集合住宅もあるらしいですよ。若い人からお年寄りまで住んでいて、ルールは毎朝挨拶しに行く。「元気ですか?」って安否確認すること。

――本来、昔の共同住宅にはそういうメリットがありましたよね。

中川 僕、落語が好きなんですが、落語に出てくる長屋って共同住宅の元祖みたいなものですよね。『黄金餅』に描かれているみたいな住人に死者が出たら、同じ長屋の人たちがその遺体を火葬場まで運ぶんですよね。大家のじいさんがそれを仕切っているという。そういうコミュニティで支え合うのがまたできたら、面白そうじゃないですか?

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中川学
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#3「『年収200万円なら独りで死ね』SNSで浴びた誹謗中傷」へつづく

取材・文/集英社オンライン編集部 撮影/井上たろう