Netflixが狙う「中継」より「物語」の独占
結論から言えば、「Netflixが箱根駅伝の“ライブ中継”を独占する」可能性は限りなく低いだろう。テレビ局関係者が噂を一蹴する。
「箱根駅伝を独占放送している日本テレビでは、『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』と並んで年間を通して総力を上げて放送する局の2大ビッグイベントといわれています。かつては毎年大晦日に放送された『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』の『笑ってはいけない』シリーズも入れて3大ビッグイベントでした。
だけど、『ガキ使』の大晦日放送がなくなってからは『24時間テレビ』と『箱根駅伝』の2本柱になってしまった。そんななかで箱根駅伝の放映権も流出するということは絶対に避けたい。日本テレビは社を上げて死守するでしょう」
1987年に日本テレビが『新春スポーツスペシャル箱根駅伝』として中継を行なって以来、今年で同局での放送は40回目となった。その歴史を鑑みてもNetflixに放映権が移行することは考えにくい。ただし、段階的な“独占”は起こり得るかもしれないという。
「Netflixがスポーツのジャンルで強みを持つとすれば、試合そのものよりその前後にある“ドラマ”をシリーズ化してさらに深掘りして見たくなるストーリーづくりにあると思います。箱根駅伝は、各大学に監督・主将・エース・下級生、苦労人など、出場する約200人のランナーそれぞれに物語があるんです。
しかも、毎年メンバーが入れ替わるため年に1回シーズンの更新が自然に起きる。こんな魅力的なコンテンツはなかなかありません。今秋には日本テレビが池井戸潤原作・大泉洋主演で『俺たちの箱根駅伝』をドラマ化しますが、ドキュメンタリーは箱根後に特番で『もうひとつの箱根駅伝』があるくらいですから、ドキュメンタリーをシリーズで、ということは考えられます」(前同)
つまり現実的に起こり得るとしたら、「箱根駅伝の舞台裏ドキュメンタリーNetflixが独占配信」という形だ。これなら地上波中継とも共存でき、放映権などの権利処理もまだ現実味がある。
箱根の強みは、多くの人が休暇中のお正月に“無料で、長時間、だらだら観られる”国民的体験にある。視聴率が示す通り、まだ地上波が最大母集団だ。
仮に配信独占で巨額の放映権料が入っても、参加大学にとっては「露出の減少=ブランド価値の減少」になりかねない。さらに、箱根は競技であると同時に、「学生スポーツ」という側面も見過ごせない。













