クスリの密売だけが異様に映る外販のルール
「もちろん、他にも細かいルールがありますよ」
こう言って、藤田が教えてくれた、歌舞伎町で各グループが協定を結んだ外販の禁止行為は次のとおり——。
・差し——女の子への声かけに際し、横からインターセプトする形で割り込むことの禁止。
・被せ——外販が女の子と話している際に、別の外販が「俺のほうが安い店を紹介できる」からと割り込むことを禁止。
・他の外販を出し抜くため、初回分の料金を女の子に渡し、店に女の子をタダで紹介してボーナス・バックだけを懐に入れることを禁止。
・店舗の前で女の子の「出待ち」をする際に、当該店舗があるビルの敷地内に立ち入ることを禁止。
ちなみに——。
・シャブや大麻の密売など、ヤクザの許可なく外販以外の商売をすることの禁止(ヤクザのシノギを邪魔することになるため)。
・店の名前、バック、女の子の人数などの売り上げ報告は隠語を使う。
・逮捕された際、ケツ持ち(ヤクザ)の存在をウタわない。
以上が、藤田が属していたグループ独自のものを交えた外販のルールだ。
どれも常識の範囲内だと思えるなか、クスリの密売だけが異様に映る。
「そうでもないですよ。過去に大麻を栽培して売ってたヤツがいて大問題になったことがありました。なかにはいるんですよ、歌舞伎町でルールを犯すこと、その意味すらわかってないヤツが」
藤田によれば、結末は「ヤクザにバレて拉致監禁」。いまも男は行方不明らしい。
文/高木瑞穂













