「ヤクザなしでは外販はできない」
となれば、次は外販とヤクザの関わりだ。ヤクザ組織の幹部の男が言うように、ホストの9割がヤクザと関係があるならば、外販はどうか。藤田に解説してもらおう。
「もちろんケツ(持ち)がついています。というか、真っ当な商売であればケツなどいらないでしょうが、そもそも違法なのでケツなしでは歌舞伎町で商売できません。裏カジノやスカウトなどの非合法商売と同じく、ヤクザのお墨つきをもらい“やらせてもらっている”という構図です」
——それは決まった組織なのか。
「外販をケツ持ちするのは、組織Aと組織Cのヤクザに大別されます。組織Aは主に外販、組織Cはスカウトのケツ持ちをメインに外販も、というイメージです」
——組織としてケツ持ちしているのか、個人なのか。
「組織ではなく、その組織のなかの特定の誰か。ヤクザは、組としてではなく各々個人でシノギをしているからです」
——立てる場所の範囲、つまり“シマ割り”は?
「あります。例えば、ある外販グループは『歌舞伎町の花道通りから職安通りまで』といった具合に、ケツ持ちのヤクザから決められます。ただし、範囲が広いのでときにバッティングします。なので、外販グループ同士で忖度し合って立つなどして棲み分けしている感じです」
——みかじめ料はいくらぐらいか。
「グループによっても違いますが、ウチはひとりにつき月3万円です。加えて春秋は“倍付け”の6万円。春秋はヤクザがシノギにしている高校野球とプロ野球の賭博に付き合う、というのがその理由です。この野球賭博に関しては、実際にはグループのボスが取りまとめていて、僕ら末端はカネを出すだけでした。
当たれば、本来なら配当があるんでしょうが、もらえたためしがありません。なので配当については気にもとめていませんでした。ちなみに、“盆暮れ”が倍付けというグループもあります。盆暮れは稼げるからです。なかにはヤクザにガジられているグループもあり、売り上げの30%を上納しています。こうしてケツ持ちのヤクザによって決められたルールがそれぞれあります。もちろん僕ら外販はノーとは言えず、それに従うしかありません」
——つまりケツ持ちなしで外販はできない。
「そうです。ケツがいない外販のことを『モグリ』と呼び、モグリを見つけたらみんなで攫いヤクザの事務所に放り投げるという慣例がありました。ごく稀にいるんですよ、知ってか知らずか、ここ(歌舞伎町)でルールを無視して外販をする、舐め腐ったヤツが」
——ヤクザと外販はケツ持ち関係だけなのか。
「少ないですが元や現役のヤクザで外販をやってる人もいます。外販だけをシノギにしているのか、単にシノギのひとつなのかはわかりませんが」
そんなの当然なんだ、と藤田は話す。ここ歌舞伎町で違法な商売をすることにおいては、やはりヤクザなしではできないといわざるを得ない。













