政治団体の街宣車が警察官と衝突

式典開始の時間が迫り、そこかしこで旧友との再会を喜ぶ若者たちの歓声が響く中、会場の外からパトカーのサイレン音が鳴り響いた。

「お、始まったんじゃない?」。祭り本番を待ちわびていたかのような誰かの一言をきっかけに、若者が一斉に会場外の公道に走り出した。

「俺らなんかが一番気合い入っているからよ!」

公道の真ん中で、沿道のギャラリーの視線を一身に集めて誇らしげに叫ぶのは、車の屋根をぶった切ってオープンカー状態にした軽ワゴン車に箱乗りする一団だった。

オープンカー状態にした軽ワゴン車に箱乗りする一団(撮影/集英社オンライン))
オープンカー状態にした軽ワゴン車に箱乗りする一団(撮影/集英社オンライン))

おめでたい紅白の塗装をまとった車体、フロントには「成人」と大書された車体から身を乗り出し、派手なのぼりを振り回している。

その周りを待機していた警察官が取り囲んでいるが、意に介す様子はない。お揃いの水色を基調にした袴の若者たちは、車上から女性警官を挑発したり、「さいこーっ!」と興奮を隠しきれない様子だった。

「やっぱり俺らがやらんと沖縄盛り上がらんからよ。車どうしたかって? 仲間と一緒にやったばぁよ。捕まって罰金で6000円取られたけど、たいしたことないでしょ」

警察官の事情聴取を終えた運転手の男性は豪快に笑い飛ばした。

若者と警察官との攻防が繰り広げられた公道のすぐ側では、別の諍いも。日章旗や日本国旗を掲げる政治団体の街宣車が交通整理に当たる警察官から足止めを食らい、メガホン越しに「街宣許可を取っているのになんで止めるか!」とやり合っている。

「なぜ、ここに?」と問う記者に対して、政治団体の関係者とみられる男性は「新たに二十歳になる若者に日本のことを真剣に考えてほしくて県内各地を回っている。もう2カ所回ったから、これから南下して那覇のほうにも行くつもりだ」と話した。

政治団体の街宣車も(撮影/集英社オンライン)
政治団体の街宣車も(撮影/集英社オンライン)

地元の若者たちへのアピールのためか、街宣車から鳴り響いていたのは、お馴染みの軍歌などではなく、地元・うるま市出身の人気バンド「HY」のヒット曲だった。