「フランスの服と全然違ってかっこいい!」

日本に在留する外国人の人口が増え続けている中、もはや振袖を着て「成人式」に出席するのは日本人だけではない。

20歳のうち、東京都新宿区は45%、東京都豊島区は42%が外国籍の人だ。

新宿区は都内屈指のコリアンタウン・新大久保などを有していることから、韓国人や中国人が多く、「はたちのつどい」の会場となった京王プラザホテルでは、受付の張り紙なども英語や韓国語、中国語など多言語で案内表示がされていた。

さらに豊島区では対象となる外国人1387人のうち、中国(739人)▷ベトナム(194人)▷ネパール(161人)▷ミャンマー(71人)▷韓国(43人)▷ウズベキスタン(42人)▷その他、となっており、国籍は多岐に渡る。

そのため昨年度から会場横の「としま区民センター」で、外国籍の新20歳向けに無料で振袖や袴を貸し出して着付けまで行うサービスを実施。今年は30人が出席した。

無料で振袖の着付けをしてもらう外国籍の新20歳
無料で振袖の着付けをしてもらう外国籍の新20歳
振袖の着付けをしてもらう台湾人留学生
振袖の着付けをしてもらう台湾人留学生
外国籍の方向けに無料で振袖をレンタルする豊島区
外国籍の方向けに無料で振袖をレンタルする豊島区

実際に着てみた感想を伺ってみると…。

紋付袴を身にまとうフランス人留学生のルナールさん
紋付袴を身にまとうフランス人留学生のルナールさん

 「フランスの服と全然違うね!めっちゃかっこいいよ」

そう照れ臭そうに話すのは、紋付袴姿がさまになるフランス人のウル・ルナールさん。

着付け会場の横では対象者の好きな字を習字で書くサービスも実施しており、ルナールさんは「夢」という字を注文。

記念として好きな漢字一字を書道家に書いてもらうルナールさん
記念として好きな漢字一字を書道家に書いてもらうルナールさん

 「今は学習院大に留学中なんです。まだまだ日本語はおぼつかないけど、卒論を書き上げて無事卒業できたら、今度は日本で仕事がしたい」と夢を語った。

一方、こちらも学習院大に所属する留学生。台湾人の呉令晴(ゴ・レイセイ)さんと、香港人の黄雨心(コウ・ウーシン)さんだ。

台湾人留学生の呉令晴さん(左)と香港人留学生の黄雨心さん(右)
台湾人留学生の呉令晴さん(左)と香港人留学生の黄雨心さん(右)

 「『ピンク色が似あうんじゃない』ってスタッフの人に言われて着てみました。すごくかわいいし、式典の出席も今からワクワク!来月には台湾に帰国しちゃうんだけど、将来は日本商社とか航空会社とか、一生懸命勉強した日本語を活かせる仕事に就きたいです!」と満面の笑顔で語ってくれた。

友人のウーシンさんはというと、

「振袖綺麗だけど、呼吸するの大変‼苦しい‼」とおどけた様子。

帰国は今年の9月だというが、

「香港は雪が降らないから、日本にいるうちに雪を見てみたい!だから来月北海道に行く‼」と嬉しそうに話した。

鮮やかな振袖を身にまとった豊島区の「はたちのつどい」に参加した外国籍の皆さん
鮮やかな振袖を身にまとった豊島区の「はたちのつどい」に参加した外国籍の皆さん