『騙されるなんてちょろいな』などと暴言を吐かれ…

最後に話を聞いたのは接客業の真美子さん(35歳)だ。自身も「私がお客様を大事に扱うように私自身も大事に扱ってもらいたくて女風を利用した」そうだ。

「今年4月から大手グループ店のセラピスト(27歳)を利用するようになり、利用して3回目くらいで『つき合おう』と言われました。

私は誰かとつき合いたくて利用したわけじゃないので保留にしていると『信じてほしい』などと言われて、交際するようになりました。でも彼がウチに来る時は必ず私が予約を入れてお金を払う状態でした。“つき合って”いるのに」

真美子さんとセラピスト
真美子さんとセラピスト
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真美子さんはセラピストと韓国旅行などにも行ったという。その際は旅行中の時間代だけは支払い、航空券や宿泊費などはセラピスト持ちだったそうだ。

「旅行は2泊なので総額68万円ほどを入金しました。10月20日にはペアリングをもらったんですけど、その日の夕方に呼び出されて『色恋営業だった』『騙されるなんてちょろいな』などと暴言を吐かれました。

彼には総額600万円ほど使いました。私は普段、接客業をしているからこそ、お客様にこんな態度を取ったら絶対に次はないことを知っています。同じ業種だからこそ、彼のひどい行ないが許せません…」

ペアリングを買った際のセラピストからのLINE
ペアリングを買った際のセラピストからのLINE

真美子さんもまた、吉田さんや芦田さんのように前入金をしていた。

「200万円ほどですかね。まだ消化されてない金額があります。お店に尋ねても『彼と直接やりとりして』と言われるのですが、その彼は私をブロックしているため連絡の取りようがありません。警察に相談すると『事件性がない』と言われ、弁護士からも『立証面で難しい可能性もある』と言われてはいるものの善処していただけそうです」

真美子さんとセラピストの韓国旅行代のやりとり
真美子さんとセラピストの韓国旅行代のやりとり
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前出のアツコさんの元にはこれ以外にも「自身が性病にかかっていることを知りながら営業しているセラピストに一生治らない重篤性の高い性病をうつされた女性」や、やはり「ランキング争いで前入金をせがまれた女性」など、さまざまな相談を受けるという。アツコさんは最後にこう言う。

「女風はホストクラブよりも単価は安いかもしれませんが、体の接触があるサービスのため、ホストクラブ以上に女性客側の恋愛感情を利用されやすいです。とくに芦田さんのように『セラピストへの情や応援したい気持ち』を悪用してくるので、構図としては悪質ホストクラブと同じなんです。

女風も風営法改正の対象に入ってほしいと思います。法が変わらないなら集団告訴を起こすしかない。今の女風業界では、大手グループ店の一部は無法地帯のようになっています」

女風店と客のトラブルは、水面下で今後も発生しそうだ。

取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班