「事実を確かめない誹謗中傷は実に卑劣な行為です」

――せっかく今までうまくやったのにテーブルがガッシャンってひっくり返ったという思いなのでは。

いや、中国側も日中関係が本当にどんどん悪化していいとは思っていないでしょう。経済関係は維持しなきゃいけないという思いはあるんじゃないかと思いますよ。テーブルが全部ひっくり返るまではいってない、いや、いかせてはいけないと思いますよね。

高市早苗首相(本人Xより)
高市早苗首相(本人Xより)

――パンダがいなくなることに日本の人は本気で驚いているのでは。

中国側にお願いしたいのは政府間でしっかり話し合い、観光や経済交流には(問題を)波及させてほしくないということです。

例えば今年インバウンドは4000万人に達すると言われ、その中で800万人以上が中国の方だと思います。中国の人が生の日本を見て理解し消費もしていただくのは相互理解の観点からありがたいことなので、観光や経済交流には波及させてほしくないと思いますね。

パンダファンの方もたくさんいらっしゃるでしょうから、パンダの交流も元に戻るよう努力が必要でしょうね。

――岩屋前外相の中国に対する姿勢を非難し、ネットでは「中国に近い」とか「中国のハニートラップにかかった」という攻撃まであります。

ハハハ。あるわけないじゃないですか。まったく馬鹿げている。否定する以前の問題で、極めて失礼な虚偽発信ですよね。事実誤認、虚偽、捏造に基づく情報に、軽挙妄動している人が多いっていうことは非常に残念なことで、事実を確かめずして人を誹謗中傷するっていうのは実に卑劣な行為だと思います。

政治家が相手だから許されると思っているのかもしれないけど、一般の方であれば極めて大きなダメージを受けることになりますからね。中には脅迫めいた言辞もみられます。あまりひどい場合は、私は当局に連絡して対処してもらうようにしています。

12月18日、「ハニトラにかかったってネットで言われています」との質問を笑い飛ばす岩屋毅前外相。この後、真顔になりネットの誹謗中傷に怒りをあらわにした(撮影/集英社オンライン)
12月18日、「ハニトラにかかったってネットで言われています」との質問を笑い飛ばす岩屋毅前外相。この後、真顔になりネットの誹謗中傷に怒りをあらわにした(撮影/集英社オンライン)
すべての画像を見る

ネットの中で虚偽に基づく一方的な言葉の投げつけが横行しているのはまさしく言葉の暴力です。ネット社会が生んだ負の側面で、こんなことが続いていけば世の中全体をおかしくする危険性を秘めていると思います。

ネットでの誹謗中傷に憤る岩屋前外相は #3では外交や共生の価値に加えられている攻撃に反論する。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班