現在は週5で介護施設へ
スベり芸で芸能界を渡り歩いてきた屋良。その強みは伊達じゃない。
「それに、お笑いを続けるための生活費を稼ぐなら、居酒屋やテレアポでバイトするより、よりステージに近い形で対価が稼げることはとてもうれしいことなので。だから、僕は老人介護施設と芸人は、とてもマッチしているなと思っているんです」
お年寄りたちの前に立ち続け、3年が経つ。
「利用者の中には受け答えができる人もいれば、ずっと目をつぶったままの人もいて。本当にバラバラなんです。だから体操のレクチャーも全員に均等に提供できてはいないんですが、その中でも日々の変化は感じられるようになってきました。
『あ、今日、この人の手はよく動いているな』とか『今日はいつもより調子が悪いんだな』とか。日によって本当に顔つきが違うんですよ」
屋良は参加するお年寄りたちだけでなく、施設従業員にも心をくだく。
「やっぱり介護事業に従事している方ってみなさん、疲弊されているんですよ。その方たちにも癒しは届けられると思っていて。こんなもう50歳手前のおっさんが『イエーイ!』って、老人たちと一生懸命まじめにふざけてる姿を見て、元気になってもらえたらという思いもあります」
現在の屋良の仕事は、7~8割がフィットネス事業、2~3割が老人介護施設訪問で、芸人は0.1なのだと笑う。
「施設訪問は初めは1か所から始まり、3か所に増えました。今は週5(月、火、木、金、土曜)ですね。芸人では『あるある探検隊』でお馴染みのレギュラーさんが介護事業に取り組まれていると思いますが、僕はその沖縄版みたいな感じかな。ただ、僕の身体はひとつなので、そんなにたくさんは回れなくて。
体操以外の、本の読み聞かせなどについてはその道のプロの方にお願いしていますね。『今日は、こういうパフォーマーがいるので向かわせますね』みたいな派遣業のような形がいつかはできたらと思います。そうすれば僕の会社、パフォーマー、老人介護事業者、三方よしになるので。大げさな言い方をするなら、介護とエンタメをつなげたい。
さらには介護でちょっとつらい思いをしている人たちのお手伝いもできるようなエンタメを。そんな団体も作っていけたらいいなと思っています」













